【百貨店大手(三越伊勢丹ホールディングス、J. フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武)からの転職】面接対策・気になる年収・転職難易度についてプロが教えます
今回は百貨店大手からの転職事情についてお伝えします。
本記事での百貨店大手5社は、三越伊勢丹ホールディングス、J. フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武を指します。
「百貨店大手から内定をもらっているけど意思決定をどうするか?」「百貨店大手から転職を考え、その後のキャリアや職種の選択に迷っている社会人の方」に向けた記事になります。
百貨店大手からの転職決定実績
過去私が転職支援をしご縁をお繋ぎした企業様や職種についてお伝えします。
接客業全般 | 約300〜400万円 |
営業職(個人) | 約250〜500万円 |
事務職 | 約300〜350万円 |
営業職(法人) | 約400〜700万円 |
人事職(未経験) | 約300〜480万円 |
デジタルマーケティング | 約300〜500万円 |
SNSマーケティング分野 | 約360〜500万円 |
- WEB広告代理店:法人営業職(年収300万円〜500万円)
- ECマーケティング支援会社:アカウントプランナー職(年収300万円〜400万円)
- メーカーの法人営業職(年収300万円〜500万円)
- リクルートグループ<飲食・美容・旅行領域>(年収300万円〜400万円)
- ネオキャリア、レバレジーズ、リクルートキャリアなどの人材業界営業職(年収300万円〜600万円)
- MS-Japan、パーソルキャリアなどキャリアアドバイザー職(年収300万円〜500万円)
- 金融メディアのWEBマーケティング職(年収300万円〜500万円)
- 店舗改善のコンサルティング職(年収500万円〜700万円)
- コストコンサルティング職の法人営業職(年収500万円〜700万円)
「販売職からの転職」が多く、エリアマネージャーや店長、地方からの転職支援など幅広く担当をしました。
百貨店大手から転職する場合は、年収が100万円前後ダウンする可能性がある
中途採用は即戦力採用になるため、「未経験の職種への転職」や「未経験業界への転職」では採用ハードルが高くなります。
未経験業界・職種への転職をする際は「年収」は下がると思っていただくことをおすすめします。
百貨店大手などの店舗責任者からの転職は、職種などによって「年収が100万円以上」ダウンする場合があります。
百貨店大手からの転職先
経験を活かした転職でオススメの業界・職種は以下の4つです。
- 個人営業職<業界問わず>
- 法人営業職<業界問わず>
- 人事職<アシスタントや営業職経験後>
- 営業アシスタント<求人は少ない>
基本的には、営業職がお勧めです。
「営業職への抵抗がある方」や「正直が疲れてしまった方」も多いとは思いますが、営業職の中でも特に法人営業であれば、土日休みの企業も多く、成果が給与に反映されます。
不安な方は、まずは求人サイトや転職サイトに登録をして仕事を探してみるもの良いでしょう。
人事職は、基本的には「経験者」でないと転職が難しいポジションではありますが、過去「営業職での選考から人事職へポジションの変更」があり、内定を勝ち取った方がいました。
専門性が高い分狭き門ではありますが、可能性があればお勧めです。
近年、人気の分野は「SaaS業界」です。リモートワークなど働き方も柔軟な業界のため、地方在住でキャリアアップも可能な業界です。
SaaS業界に興味がある方は、求人を豊富に扱う「マーキャリア転職エージェント」がおすすめです。SaaS業界に特化した支援をしているため、興味がある方はまずは話を聞いてみるのがおすすめです。
SaaS業界とは
SaaS業界は、Software as a Serviceの略で、ソフトウェアをサービスとして提供するビジネスモデルやアプローチを指します。
代表的な企業は「株式会社ラクス」「サイボウズ株式会社」「株式会社SmartHR」「Sansan株式会社」などが有名です。
SaaS業界への転職の難易度は、個人の経験やスキル、求人市場の状況などによって異なります。
一般的には、SaaS業界は成長している分野であり、需要が高まっているため、他の業界と比較して転職のチャンスが多い傾向があります。しかし、その一方で競争も激しいため、対策が必須です。
転職の難易度は個人の状況によって変わるため、自身のスキルや経験をしっかりと整理し、適切な求人情報を探すことがポイントです。転職エージェントの利用や、業界の最新トレンドや企業情報の把握など、準備を進めることが成功への道を開くことに繋がります。
土日休みで給与も一定欲しく、キャリアパスを広げたい方は「営業職」がおすすめですよ。
「事務職」への転職はあまり勧めないワケ
この記事を読んでいる方の中には事務職を希望される方もいるかと思いますが、転職エージェントの経験をからあまり事務職への転職はオススメできません。
理由は様々ですが、事務職は近年、正社員採用ではなく、派遣社員で雇用する企業が増えており、コロナをきっかけに「33%が派遣切りに遭った」とされるデータもあります。『2021年』派遣社員の実情調査実施
また、収入面においても派遣社員の時給の全国平均は1,200円~1,300円程度といわれています。
もっとも、派遣社員といっても、勤務地や職種、求められるスキルによって時給の額は異なります。
高いスキルを求められる職種や、専門的な職種はそれだけ時給が高くなっています。
正社員の平均年収は約303万円で月給換算すると25万円、初任給は20万円程度が相場となるため、事務職よりは営業職の方が収入面でもキャリアの選択肢も広げることができます。
法人営業の仕事の平均年収は約428万円。月給で換算すると36万円、初任給は21万円程度が相場となります。
転職後に期待することの一つに長く働きたいという希望があるはずですので、そういった意味で、転職の繰り返しになるリスクがあります。
また、事務職などは競争率も高く、PCスキルが高くなければならないため「派遣社員」になってしまうためあまりおすすめできません。
管理職・マネージャー(営業系)は営業系の中ではやはり年収は、トップクラスによく、平均年収だと528万円前後です。
30代に差し掛かると平均年収は623万円にも達するようになり、高収入の職種の一つといっても良いでしょう。
営業職の経験は転職市場では高く評価されます。
事務職や派遣事務は「キャリアダウン」の可能性があります。
「労働時間の改善」を希望され、デスクワークをしたいから「事務職」という選択を考える方がいますが、少し立ち止まってから検討してください。
事務職へ転職してしまうとそこからより待遇の良い転職先を見つけるのが難しくなります…。
20代・30代であれば可能な限り多くの選択肢を取れる経験・キャリアを積むことをお勧めします。
百貨店大手からの転職理由
過去の転職理由についてお伝えします。現役社員は共感する部分も多いのではないでしょうか。
・自身が目指す将来像を描くことができないと感じた為。百貨店大手では、基本的に最低10年の店舗経験が求められることもあり、成長意欲が高い自分にとっては物足りなさとこのままで良いのかと感じたため。
・店舗勤務だったため、パートさんやアルバイトさんと同じ業務をこなすため、スキルや専門性を磨くのは難しい環境と感じたため、自身の成長のためにも転職を決意しました。
・(エリア限定正社員ではない事例)転勤も多く、結婚をしていると移住地が変わってしまうため、転職をして落ち着いた環境で働きたいと感じたため転職を行いました。
・20代のうちに小売業以外の実務スキルを身につけることがリスクであると考えるようになりました。本部系でセカンドキャリアを築くことも考えましたが、専門スキルが高い中途社員を採用しているのが百貨店大手HDでもあるため、30歳過ぎに店長を経験後、中途組みに勝てる正直イメージが湧かず、転職をしました。
・有給が正直取得しづらい環境ではありました。店舗シフトに左右されるので、申請をしていないのに有給を取ってほしいとお願いされるケースも私は珍しくありませんでした。シフト制の為、仕方のないと感じましたが、土日休みである法人営業に興味を持ち転職を行いました。
百貨店大手から転職するのであれば、28歳前後までが良い
地方と都内で転職事情は変わりますが、28歳は未経験の業界職種への転職が一番ピークになります。
以降は、年齢とともに未経験での転職は難しくなります。
特に店舗接客営業がメインのスキルになってしまうとキャリアアップがしづらいためもし転職をするのであれば早めに動かれることをおすすめします。
とはいえ、百貨店大手での在籍経験はマイナスになることばかりではありません。
- 学歴が高い方が多いため、地頭などのポテンシャルを見てもらいやすい
- 店舗で売上を作る仕組みが逸材であり、汎用性が高いためか転職先でも活躍を期待できる
- 人柄が良い方が多いと企業側のバイアスがある
- 大人びている方が比較的多い
転職エージェントとして百貨店大手の方をご支援していた際に「企業側」が持っているイメージはかなりプラスでした。
百貨店大手の採用は上手いと有名であり、「地頭が良い、汎用性が高い、数字達成意欲がある、仕入れなどからPDCAを回しながら売上を作ることができる力がありそう、ストレス耐性がある」など良い評価を受けることがありました。
百貨店大手からの転職:過去の見送り理由
- 基礎的な能力はおそらく問題ないのではないかと思いますが、マーケティングという言葉やPDCAなどの言葉が少し先行している印象で、泥臭くコミットして活躍するというイメージは沸きませんでした。
- 百貨店大手の方に多いのですが、店舗の期間が比較的長いというのは当初からある程度想定できたことではないかと思ってしまいました。そのため、もうすぐ30代になれるこのタイミングでの転職は、当社のようなスピード感があるIT業界での活躍は見込めないと感じたためお見送りとさせてください。
- 営業で売れるイメージが湧きませんでした。来店型営業でもあるためか少し他責や受け身な印象があります。限られた環境であることは理解できるので、その中で自分はどんな行動をとったのかなど話せると良いかと思います。
- Web面接だと雰囲気などがわかりづらく、判断しきれていないところもあるが、現職を選んだ理由(大手でありながら20代でマネジメントを経験できるチャンスがる)と、実際に27歳でマネージャー職まで最短でたどり着いていることなどの整合性は良いと感じました。自分より年上のマネージャーもいる中で上位に位置していることは◎。ただ、現職での頑張りから得た学びの量は、悪くはありませんが、とびぬけて良くもないくらいの印象。もし彼が25歳なら迷わず合格、30歳過ぎだったら物足りないかな、という点からお見送りとさせてください。
- 声も爽やかで、電話でのコミュニケーションは問題なく印象がよかったのですが、ご経験スキルから営業スキルが弱く、弊社での業務の立ち上がりに懸念があるためお見送りとさせていただきます。
- 未経験で「マーケティングに挑戦したい」ということですが、マーケティングについての解像度が低く、勉強や自助努力をされていないため、活躍が難しいと判断いたしました。
- 専門性を身につけたいということでマーケティングを志望されているとのことですが、なぜマーケティングなのか?理由が分かりませんでした。正直百貨店大手という環境以外で働いた経験がない中で、なんとなくマーケティングに挑戦したいとお考えな印象です。
あくまでも一例ではありますが、いかがでしたでしょうか。
面接対策や話す内容を変えるだけで通過率が変わることもあります。一人で転職活動を進めず、プロに依頼するのも1つかもしれません。
転職活動を定期的に行う
百貨店大手は、転職市場の中でも「待遇」や「成果を出すための仕組み」が優れています。社会人としての基礎を勉強する環境としては良いといえます。
また、早期にマネジメントの経験を高めることや売上など数字に強くなることができます。
一方で、キャリアパスなどが見えない、労働時間が長い、専門性が付きづらいなど不安な部分もあるかと思います。
転職活動を定期的に行うのも1つです。
百貨店大手からの転職、職務経歴書の記載ポイント
成果がイメージできる「実績」を記載する
「実績」は、売上、売上達成率、成約件数、リピート率、注力商材の購入数・率などが挙げられます。
それらを明確に記載することで、担当できる業務やスキルの高さを採用担当者に伝えられます。
求められる知識やスキルは企業によって異なるので、求人情報に目を通した上でマッチしそうな「実績」を記載し、能力の高さをアピールしましょう。
・年間売上実績〇〇万円(年間売上目標〇〇万円 達成率:〇〇%)10名中2位の実績
・成約件数実績●件(年間成約目標●件 達成率:〇〇%)全社平均成約数▲件
未経験分野への転職では特に「定量実績」の記載がポイントになります。数値目標がない場合は、自ら数字を設定し、取り組むことをおすすめします。
アピールできる「実績」がない場合は、まずは「実績」を作ってから転職活動をすることで、選択肢を広げることができます。
職務経験のレベル感が伝わる「知識・スキル」を記載する
顧客へのヒアリング力やプレゼンスキルなどは、営業系の職種に応募する際にアピールポイントになります。
応募先企業が必要としている人材の情報を募集要件などでチェックし、それにマッチする「知識」「スキル」をアピールしましょう。
どのような内容を記載するか迷っている方は無料で添削をしてくれる「転職サービス」の利用がおすすめです。
百貨店大手からの転職:転職サービスを使い倒すのがおすすめ
百貨店大手からの転職を検討しているのであれば、転職サービスを使い倒すのがおすすめです。
ただ、転職エージェント・転職サイトはそれぞれ強みや弱みがあります。特徴を把握した上で自身にあったサービスを活用してください。
保有している求人や担当アドバイザーとの相性もありますので、基本的には、2〜3社ほどの複数サービスを並行利用することをオススメします。
例えば、コンサルティングファームや金融業界への転職であれば、コトラ転職エージェント、コンサルティングファーム支援に特化した「アクシスコンサルティング」がおすすめです。
幅広い業界をみたい場合は「doda」「Green」、地方支援に特化した「ヒューレックス」がおすすめです。
500万円以上の年収であれば、JACリクルート、ビズリーチの登録がおすすめです。
外資系企業への転職に興味がある場合は専門に扱う「エンワールド・ジャパン」がおすすめです。
いずれも登録は無料で、求人を見ることもできます。スカウトメールなどの連絡を受け取りたくない場合は、サービスによっては拒否できるためまずは登録をおすすめします。
- 特定の業界/職種への支援に精通し、支援実績などのエビデンスの提出が可能なサービスかどうか
- サービスの利用、サービスを運営する企業へ直接訪問等を行い、ユーザーにとって良いサービスを提供できるかどうか
- 転職支援のプロからみても、サービスに定評があるか など
独自基準をクリアした”転職サービス”を掲載していますので、よろしければご活用ください。
SaaSへの転職なら特化したエージェントがおすすめ
百貨店大手からの転職支援に強みがあるエージェントの1つに【マーキャリNEXT CAREER】というサービスがあります。
IT/SasSのデジタルセールスに特化した転職エージェントサービスです。
SaaS、ベンチャー系企業におけるキャリア形成に強みを持つキャリアアドバイザーが担当するため必要スキルや業界に対して精通したアドバイスをもらうことができます。
20代~30代前半の法人営業職の方やSaaS・IT業界(インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセス)に興味がある方は登録をして損はないでしょう。
一方で、デジタルセールスの職種は「営業経験」が必須になっていることも多いため、営業未経験の場合はご紹介できる求人が少ない状況です。
転職は新たな一歩を踏み出す大切な決断です。
新しい環境で成長し、自身の可能性を広げるチャンスがそこにあります。不安なことも多いかもしれませんが、プロに頼ることも1つです。良い転職になるよう心より願っています。頑張ってくださいね。