【短期離職後の失業保険はいつから?】雇用保険・源泉徴収票の手続きも解説

短期離職をした際、「失業保険はもらえるのか」「源泉徴収票はどうすればいいのか」「履歴がバレるのではないか」と不安を抱く方は少なくありません。この記事では、短期離職後の雇用保険(失業保険)受給の条件や、源泉徴収票の取得方法、履歴が転職先に伝わる可能性、そして必要な手続きを丁寧に解説します。転職準備を安心して進めるための実務的な情報を、プロの転職エージェント視点でお届けします。
短期離職でも失業保険(雇用保険)は受給できる?
雇用保険の加入期間と「12ヶ月ルール」とは?
雇用保険の基本手当(失業給付)を受給するには、離職日から遡って2年間のうちに、通算12ヶ月以上の雇用保険加入期間が必要です。この「12ヶ月ルール」は、短期離職の方にとって最初の壁となります。(2025年6月12日時点)
自己都合退職と会社都合退職の違い
項目 | 自己都合退職 | 会社都合退職 |
---|---|---|
給付開始までの期間 | 約2か月後(待機7日+給付制限2か月) | 約8日後(待機7日のみ) |
給付日数の上限 | 最短90日〜最長150日程度(勤続・年齢により) | 最短90日〜最長330日(条件により長期) |
再就職手当の支給タイミング | 制限あり(支給開始が遅いため) | 支給開始が早く再就職手当も早くもらえる |
会社都合か自己都合かは、離職票に記載される退職理由が基準になります。「形式上は自己都合だが実質は会社都合に近い」場合でも、ハローワークで事情を説明すれば判断が変わることもあります。トラブル防止のためにも、離職票を受け取ったら内容をよく確認しましょう。
✅ 1. 会社都合退職の場合
経営悪化・解雇・契約満了・ハラスメントなど、会社側の都合で退職した場合、直前1年間に雇用保険加入が6ヶ月以上であれば、6ヶ月未満の在籍でも受給対象となります
✅ 2. 自己都合退職でも「特定理由」がある場合
健康不調、契約更新されない、育児・介護・配偶者の転勤など、やむを得ない事情がある場合には、「特定理由離職者」として扱われ、直前1年間に雇保加入6ヶ月以上で受給可能です。
3ヶ月で辞めた経験があっても、制度上は失業保険を受給できる可能性があります。特に会社都合や正当な理由がある場合は、ハローワークの判断や状況説明次第で受給可能です。離職票や事情説明に不安がある場合は、早めにハローワークへ相談しましょう。
通算12ヶ月以上加入していない場合
もし通算12ヶ月に満たない場合、基本手当は原則受給できません。
そのため、次の仕事で雇用保険に加入し、12ヶ月の加入実績を積んでから再度申請する方法を検討するしかありません。
「特定理由離職者」と認められるケースには、期間の定めのある労働契約期間が満了し、かつ、その労働契約の更新がないことで離職せざるを得なかった方等も該当する場合もあるので、気になる方はハローワークでご確認ください。
短期離職で失業保険はいつから支給される?
自己都合退職の給付開始は「3ヶ月+7日後」
自己都合退職では、まず7日間の待期期間があり、その後3ヶ月間の給付制限期間を経て、ようやく失業保険の支給が始まります。離職票が手元に届いたら、なるべく早くハローワークでの求職申込みと手続きを行いましょう。
会社都合退職の場合は8日目から受給スタート
一方で、倒産や雇い止めなどの会社都合退職の場合は、待期期間の7日を過ぎた8日目以降から給付が開始されます。この違いは非常に大きく、生活設計に与える影響も少なくありません。
短期離職したら源泉徴収票はどうすればいい?
源泉徴収票は短期でも必ずもらえる
在籍期間が1ヶ月未満であっても、給与の支払いがあれば源泉徴収票は発行されます。これは企業にとって法的義務であり、雇用期間の長短は関係ありません。年末調整や転職先への提出、確定申告などにも必要になるため、必ず入手しておきましょう。
退職後に会社から送られてこない場合の対応方法
もし退職後に源泉徴収票が送られてこない場合は、以下の方法で請求できます。
- 総務・人事・経理担当に電話またはメールで請求
- 郵送での送付を希望する旨を伝える
- 退職日と氏名、社員番号などを明記するとスムーズ
連絡が取れない場合や拒否された場合は、労働基準監督署や税務署へ相談することも検討しましょう。
雇用保険の履歴はバレる?履歴書に書かないとどうなる?
雇用保険の加入履歴がバレるケースとバレないケース
雇用保険の加入履歴はハローワークが管理しており、企業が勝手に照会することはできません。したがって、短期離職歴が「自動的にバレる」ことは基本的にはありません。ただし、以下のような場合は注意が必要です。
- 社会保険の資格喪失や住民税の切り替えで間接的に知られる
- 履歴書上の空白期間が不自然に見える
履歴書に書かないのはOK?正直に伝えた方が良いケース
職歴の空白を避けたいがために短期離職を記載しない方もいますが、経歴の整合性が取れていないと、かえって不信感を招く可能性があります。伝え方次第では、むしろ短期離職も前向きな経験として評価されるケースもあるため、「正直+前向きな理由+反省と学び」のセットで伝えることが大切です。
リファレンスチェックが普及しており、近年は社内で知り合いがいないか?など確認があるため気をつけましょう。

短期離職後に必要な手続き一覧【チェックリスト】
ハローワークでの離職票・雇用保険手続き
失業給付の申請には、離職票(1・2)が必要です。会社から送付されない場合は、早めに請求を行いましょう。また、ハローワークでの求職申込みを行わなければ、受給が開始されません。
国民年金・健康保険の切り替えも忘れずに
退職後14日以内に、国民健康保険や国民年金への切り替え手続きも必要です。住所地の役所で手続きできます。切り替えが遅れると、保険証が使えず医療費が高額になるリスクがあります。
短期離職の不安を軽減するために今できること
正直に伝えることが結果的に信用につながる
企業は、経歴そのものよりも「どう向き合ってきたか」を重視する傾向にあります。短期離職も、内省の結果や学び、今後にどう活かしたいかを語れるかがポイントになります。
失業保険を活用しながらキャリアの棚卸しを進めよう
給付を受けている期間を単なる“待ち時間”にせず、自分の強みや価値観を見つめ直す好機に変えることが大切です。職務経歴書のブラッシュアップや面接対策、エージェントとの面談など、準備を整えておきましょう。
あとがき:短期離職でも、正しく理解すれば不安なく次に進める
短期離職は誰にでも起こりうることです。しかし、その後の行動次第でキャリアの未来は大きく変わります。制度を正しく理解し、必要な手続きをきちんと行い、自分自身と向き合う時間を大切にすることで、次のステージで自信を持って活躍する準備ができます。
読者の皆様が、この記事を通じて少しでも転職やキャリアについて正しい知識を得られ、今後のステップを前向きに考えられるようになれば幸いです。転職活動は不安も多いものですが、しっかりと準備をし、自分自身の強みや希望を明確にすることで、次のステージに向かって大きな一歩を踏み出せるはずです。これからのキャリアが、皆様にとってより良いものとなることを心より願っています。
致し方がない短期離職はぜひ”転職エージェント”を利用してほしい

短期離職を経験した方にとって、次の転職活動は不安がつきものです。特に、離職理由が「自分の意思では避けられなかった事情」──たとえば人員整理、体調不良、家庭の事情、社内環境の急変などの場合、「致し方がなかった」と自覚していても、それが採用担当者に正しく伝わらなければ、書類選考・面接で不利になることがあります。こうした状況こそ、転職エージェントの活用が強くおすすめされるケースです。
なぜなら、エージェントは単に求人を紹介するだけでなく、応募者の背景や事情を採用企業に直接説明・交渉できる立場にあるからです。履歴書や職務経歴書にすべてを記載するのは難しくても、エージェント経由で「なぜその離職がやむを得なかったのか」「どんな反省と再発防止の意識があるのか」を人事に丁寧に伝えることで、マイナス印象を回避できる可能性が高まります。
また、エージェントは企業との関係性を築いており、社風や採用基準、過去にどんな人が採用されているかを熟知しています。そのため、短期離職歴がある方でも、理解ある企業や「人物重視で採用する企業」へのマッチングを提案してくれることがあります。自分ひとりで転職サイトから応募するよりも、受け入れられやすい環境にたどり着く確率が上がるのです。
短期離職には、本人の努力ではどうにもならなかった事情が存在することがあります。そうした背景がある方ほど、ぜひ転職エージェントの力を借りて、自分のキャリアの本質を正しく伝えてほしいと私たちは考えています。エージェントのサポートを活用することで、あなたの誠実さや今後の意欲がきちんと企業に届き、次こそ長く活躍できる職場と出会えるはずです。