【面接で希望年収を聞かれたら⁉︎】適切な希望年収の決め方と伝え方をプロが教えてます!
「せっかく転職するなら年収アップを狙いたい」「高い年収を希望すると採用を見送られるのではないか」など、年収額の希望をどのように伝えればいいか迷うこともあるのではないでしょうか。
企業の年収の決定方法、希望年収を聞かれたときの答え方について、解説します。
年収の決定方法
中途採用においては、応募書類や面接などで経験・スキルを確認し、前職の年収額や企業の給与テーブルにもとづいて年収が決定されます。
大手~中堅企業では、多くの場合、役職・等級・年次に応じた給与テーブルが厳密に定められています。
既存社員とのバランスをとるため、高度な経験・スキルを持つ人材であっても特別待遇は難しく、給与テーブル以上の金額は上乗せしづらい事情があります。
しかしながら、企業がどうしても入社してほしいと思う人材であれば、「入社一時金」「特別手当」「調整手当」「ボーナス」などの形で、年収総額を本人の希望額に近づけるケースもあります。
あるいは、「嘱託社員」「契約社員」など、正社員以外の雇用形態で採用することで、既存の正社員の給与テーブルにとらわれずに年収額を設定することもあります。
「嘱託」「契約」と聞くと雇用が不安定に感じられるかもしれませんが、実際には10年以上の長期にわたり契約更新を続けているケースも多数あります。
また、近年の転職市場において「雇用形態」はマイナスになりづらくなっているため、条件が合うのであれば検討することをお勧めします。
一方、ベンチャー企業などでは、オーナー経営者の裁量によって年収額が決定することも珍しくありません。
社長面接で「会社の成長にいかにして貢献できるか」をプレゼンすることで、年収額の希望が叶う可能性があります。
事業・組織の変革に取り組む企業では、その推進に必要な人材を獲得するため、報酬の仕組みにおいても既存のルールに縛られない方法を取り入れています。
そのような内部事情を掴むために、そして企業側と円滑に年収交渉を進めるためには、転職エージェントを活用するのも一案です。
事前に転職で実現したい年収を決めておく
転職エージェントを利用した場合、年収交渉を代行してもらうこともできますが、面接の場で直接、希望年収を聞かれることもよくあります。
その場で慌てることのないよう、事前に希望する年収額を決めておいてください。
希望年収額を2パターン決めておく
応募企業に伝える希望年収額は、2パターンを想定しておくといいでしょう。譲れないラインである「最低希望年収」と、「できれば叶えたい希望年収」です。
「できれば叶えたい希望年収」は、実現可能な範囲内の額としましょう。
求人情報には「年収例/800万円~1200万円」など、金額に幅を持たせた例が記載されていることも多いので、参考にしてください。
あるいは、転職エージェントに、その企業が実際に想定している年収額の目安を聞いておくのも手です。その金額を参考に、希望年収額を設定するといいでしょう。
現職の年収はきちんと確認しておく
年収額の決定に際しては、現職の年収額をベースとして検討されます。
現職の年収を応募企業に伝える際、「手取り」の金額を伝えてしまう人もいるため、注意が必要です。
手取り額は、税金や社会保険料などが差し引かれた後の金額であり、実際の年収より低い額となります。
応募企業に伝える「年収」とは、社会保険料・源泉所得税・各種控除(住民税や積立金など)が引かれる前の「総支給額」です。自身の「正しい年収額」を把握しておいてください。
面接で希望年収を聞かれた場合の答え方
面接で希望年収を聞かれた場合は、どのように答えればいいのでしょうか。
希望年収の答え方について解説します。
現職(前職)の年収をベースに伝える
応募企業が「妥当である」と納得して受け入れられるのは、現職(前職)の年収額を根拠とする希望額です。
ただし、現職(前職)の年収額が応募企業の想定年収額を大きく上回る場合、希望年収を強く主張すると選考にマイナス影響を与えないとも限りません。
応募企業が提示する年収額に従う場合は、企業側に歩み寄る姿勢を見せておくといいでしょう。
<伝え方の一例>
「現在の年収が○○万円ですので、それと同等以上の額を希望します。ただ、基本的には御社の規定に従うつもりでおります」
年収アップを希望する場合は理由も添える
現職(前職)よりも高い年収額を希望する場合、その「根拠」を明確に伝えることが大切です。
根拠があいまいだと、応募企業は受け入れにくいものです。
年収アップを希望する場合は、自身の経験・スキルを活かし、入社後どのように貢献できるかをなるべく具体的にプレゼンしましょう。
応募企業が「活躍を期待できる」と判断すれば、希望が叶う可能性が高まります。
<伝え方の一例>
「年収は○○万円を希望しております。私は前職で○○プロジェクトをリードし、売上を○倍に拡大させました。御社がこれから注力される○○の拡販において、その経験が活かせると考えております。1年で売上○○円を目指し、事業の安定化に貢献したいと思います」
場合によっては最低希望年収も補足する
現職と同等以上の希望を伝えるにしても、応募企業の給与テーブル上、ダウンとなる可能性がある場合は、最低限希望する年収額も併せて伝えるといいでしょう。
<伝え方の一例>
「現職と同額の年収900万円を希望します。しかしながら、御社のご事情もあるかと存じますので、この金額にこだわるつもりはありません。ただ、これから子どもの学費がかかることもあり、最低800万円いただければ幸いです」
「入社後に成果を出して年収を上げる」という選択肢も視野に入れる
高額な希望年収額が受け入れられて転職を果たした方から、「報酬額が高い分、大きな期待を寄せられている。早く成果を挙げなければ…と、プレッシャーを感じてしまい、精神的につらい」という声を聞くこともあります。
希望が叶い、転職先企業の平均年収と比較して高額な年収が設定されると、成果に対して焦りを感じてしまうこともあるようです。
プレッシャーが自身を追い詰めることになり、本来の力が発揮できないケースも見られます。
こうした事態に陥らないために、入社時の年収額が希望に満たなかったとしても、「入社後に成果を挙げることで年収を上げる」という発想に切り替えてはいかがでしょうか。
ただし、その場合、応募企業の評価制度をしっかり確認しておく必要があります。近年、年次などに応じた定期昇給ではなく、成果が短期で報酬に反映される人事制度・評価制度を導入する企業が増えています。1年の間に複数回、評価・昇給がある企業もあります。
どのようなスキルを発揮し、どのような成果を挙げれば、どの程度の年収額に到達できるのか。面接などで確認しておくといいでしょう。
活用したことがない転職サービスがあればぜひご検討ください。