■コラム

【人的資本経営とは!?】データを見るだけでは分からない。従来の経営との違いや具体的な施策について

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人的資本経営とは!?

人的資本経営(Human Capital Management)とは、組織の成長や競争力を維持・向上するために、従業員のスキルや能力、知識、経験などの人的資源を最大限に活用するための経営戦略や手法のことを指します。

人的資本経営は、従業員の採用、育成、評価、報酬、福利厚生、キャリアパスなどの人事制度や労働環境を整備し、組織の目的達成に必要な人材を確保し、その人材を最大限に活かすことで、組織の生産性や競争力を高めることを目指します。

人的資本経営の重要性が高まっている背景には、グローバル化や情報化の進展によって、市場環境が大きく変化していることや、人材不足や人材流動性の高まりが課題となっていること、従業員の幸福感ややりがいが仕事の成果や生産性に影響を与えることなどが挙げられます。したがって、人的資本経営を通じて、組織と従業員の双方が相互に利益を得ることが求められています。

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従来の経営と人的資本経営での違いは?

従来の経営と人的資本経営の違いは、従来の経営では人材を単なるコストとして捉えていたのに対し、人的資本経営では人材を企業価値の源泉として認識し、その育成・活用に注力する点にあります。

具体的には、従来の経営では人材をコスト削減の対象として捉え、人件費削減などの手段を用いてコストを圧縮しようとする傾向がありました。

一方で、人的資本経営では、人材を企業価値の源泉として認識し、人材の育成・活用に注力することで、企業の競争優位性を高めようとする考え方があります。

従来の経営では、経営者が企業の目標や戦略を策定し、その達成のために必要な人材を採用・配置することが一般的でした。

一方で、人的資本経営では、人材を企業価値の源泉として認識し、人材自身が主体的に自己実現や成長を追求し、その成長が企業の成長につながると考えます。そのため、企業は人材の育成・活用に積極的に取り組む必要があります。

また、従来の経営では、人材の評価や報酬は、単純な成果や実績に基づいて行われることが多かったのに対し、人的資本経営では、能力やポテンシャル、意欲などの人材の内面的な要素に着目し、個人の成長やキャリア開発をサポートすることが求められます。

そのため、人材の育成や評価において、多様な方法や手段を用いて、個人の能力や特性に合わせた柔軟なアプローチが求められます。

人的資本経営、マネージャーが担う役割とは?

人的資本経営においてマネージャーが担う役割は大きく分けて以下のようなものがあります。

  1. 人材採用
    人的資本経営では、優秀な人材を採用することが重要になります。そのため、マネージャーは求める人材像を明確に定め、採用活動をリードすることが求められます。また、採用後の育成や研修にも力を入れる必要があります。
  2. チームマネジメント
    マネージャーは、チームのメンバーが能力を最大限に発揮できるようにサポートすることが求められます。そのため、メンバーのスキルや経験、興味関心に合わせた業務分担や、定期的なフィードバック、成長機会の提供などを行う必要があります。
  3. パフォーマンス管理
    人的資本経営においては、目標達成や成果に基づくパフォーマンス管理が重要です。マネージャーは、メンバーの目標設定や評価、報酬制度の設計などを行い、パフォーマンスを向上させるための仕組みを構築する必要があります。
  4. リーダーシップ
    人的資本経営においては、マネージャーがリーダーシップを発揮し、メンバーを導くことが求められます。そのため、ビジョンや目標の共有、コミュニケーションの促進、チームビルディングなどを行う必要があります。

以上のように、人的資本経営においてはマネージャーが重要な役割を担います。組織の人材を最大限に生かし、成果を上げるためには、マネージャーのリーダーシップやスキルが欠かせません。

人的資本経営においてみるべき指標、数値はある?

人的資本経営において、みるべき指標や数値はいくつかあります。以下に代表的なものをいくつか挙げてみます。

  1. 従業員離職率
    従業員が離職する割合を表す数値で、企業の人材の定着力や離職原因などを把握するために用いられます。
  2. 従業員定着率
    従業員が定着している割合を表す数値で、企業が従業員を定着させるための取り組みの評価に用いられます。
  3. 従業員満足度
    従業員の満足度を調査することで、企業が従業員のニーズに合った環境整備や人事政策を策定するための指標として用いられます。
  4. 組織力指数
    組織の生産性や競争力を測るための指標で、人的資本を含めた企業全体の資産価値を評価するために用いられます。
  5. 人材流動性
    従業員の転職や異動の頻度を表す指標で、企業が人材の流動性を適切に管理するための基準として用いられます。
  6. 人材の育成度合い
    従業員のスキルやキャリアアップのための教育・研修の実施状況を表す指標で、企業が人材の育成に適切な投資を行っているかを評価するために用いられます。

なお、これらの指標や数値は、企業や業界によって異なる場合があります。また、それぞれの指標や数値を単独で評価するのではなく、総合的に判断することが大切です。

人的資本経営はデータを見るだけでは本質的な解決にならない理由

人的資本経営において、データ分析や数値指標を用いた分析は重要な要素ですが、それだけでは本質的な解決につながらないことがあります。

まず、人的資本経営の最終目的は、企業のビジネス目標を達成することです。

そのためには、人材が適切に配置され、育成され、組織文化が築かれ、働く環境が整備される必要があります。

ただし、人間は単なる数値ではなく、個人の意志やモチベーション、クリエイティビティなども影響します。

そのため、数字だけを追い求めるのではなく、人的資本に関わる全ての要素を把握し、総合的な視点で問題を解決することが重要です。

また、人材の採用や育成には、個人の特性や能力、経験など様々な要素が影響します。これらを数値で表すことは難しく、人間が持つ特性や能力を決定する要因は単純に数値だけで決まるわけではありません。そのため、数字に頼るだけでは、人材採用や育成に必要な適切な判断をすることができず、結果としてビジネス目標の達成が阻害される可能性があります。

データ分析や数値指標は人的資本経営において重要な要素ですが、それだけにこだわってしまうと、人材採用や育成に必要な人間的な要素や社員の意見・要望を見落としてしまうことがあります。

一方で、取り組んだ施策がどのような「変化」につながったのかを「数値化」しなければ説明責任が果たせないこともあります。

定量と定性の両方、総合的な判断をすることが大事になります。

人的資本経営の主な取り組み、施策について

人的資本経営には以下のような取り組みや施策があります。

人材の採用と定着促進

  • 適切な採用基準や選考方法の確立
  • 長期的な人材育成プログラムの構築
  • 労働環境の整備や福利厚生の充実

組織の文化づくり

  • コアバリューやビジョンの共有
  • コミュニケーションの促進やフィードバック文化の確立
  • 働き方改革の推進

評価・報酬制度の改革

  • 適切な評価基準の確立
  • パフォーマンス管理システムの構築
  • フェアな報酬制度の設計

多様性・包括性の推進

  • 多様な人材の受け入れや定着の促進
  • インクルージョンの推進
  • ダイバーシティ&インクルージョン戦略の構築

これらの取り組みや施策を行うことで、企業は従業員の生産性やモチベーションの向上、定着率の向上などを実現し、企業価値の向上に繋がります。

「人材の採用と定着促進」→「組織の文化づくり」→「評価・報酬制度の改革」→「多様性・包括性の推進」このサイクルを繰り返していくので、事業や組織フェーズに合わせて適切なアクションをすることが大事です。

人的資本経営で人事部門が求められることは?

人的資本経営において、人事部門は以下のような役割や求められることがあります。

  1. ビジネスとの連携
    人事部門は、ビジネスの戦略や目標に合わせて、人材戦略を策定し、実行することが求められます。目標に合わせた採用戦略や育成・研修計画の策定、評価制度の改善などがあります。
  2. データ分析・予測
    人的資本経営においては、データ分析や予測が重要な役割を担います。人事部門は、採用や評価、育成などの分野でデータを収集し、分析することで、経営に貢献することが求められます。
  3. 変化への対応
    社会やビジネス環境は常に変化しています。人事部門は、変化に対応するために、新しい技術や手法を積極的に取り入れ、改善や改革を行うことが求められます。
  4. 人材の発掘・育成
    人事部門は、採用や育成によって、優秀な人材を発掘し、育成することが求められます。特に、将来のリーダー候補の発掘や育成は、企業の成長に不可欠な役割を担っています。
  5. コミュニケーション能力
    人事部門は、社内の様々な人とコミュニケーションを取ることが多く、コミュニケーション能力が求められます。特に、ビジネスとの連携や人材育成においては、他部門とのコミュニケーション能力が重要になってきます。

人的資本経営で経営層に求められることは?

人的資本経営において、経営層に求められることは以下の通りです。

  1. ビジョンの策定と徹底したコミュニケーション
    経営層は、人的資本経営における方針や目的を明確にし、徹底的なコミュニケーションを行うことが求められます。経営層が策定したビジョンを社員が理解し、共有することが重要です。
  2. 人材開発と育成
    人的資本経営では、経営層は従業員の能力開発やキャリアパスの構築など、人材育成に注力する必要があります。経営層は、社員の成長を支援するための研修や教育プログラムを提供することが求められます。
  3. パフォーマンス管理と報酬制度
    人的資本経営では、従業員のパフォーマンスを適切に評価し、適切な報酬を与えることが重要です。経営層は、目標設定やパフォーマンス評価を実施し、適正な報酬制度を設計することが求められます。
  4. 多様性と包摂
    人的資本経営では、多様性を受け入れ、包摂的な職場文化を構築することが求められます。経営層は、多様な背景や経験を持つ人材の採用や育成を進めることで、組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。
  5. ワークライフバランスの実現
    人的資本経営では、働き方改革やワークライフバランスの実現が求められます。経営層は、フレックスタイム制度やリモートワークの導入など、働き方改革に積極的に取り組むことが求められます。

人的資本経営が必要な企業は具体的にどういった企業が導入すべきか?

人的資本経営は、従業員の能力・スキル・モチベーションなどの人的資源を最大限に活用し、企業の業績向上や競争力強化を目指す経営手法です。人的資本経営が必要な企業としては、以下のような企業が挙げられます。

  1. 技術革新の進展が著しい企業
    技術革新が進展する現代では、従業員の知識・技術が追いつかず、企業の競争力が低下するケースが多くあります。そのため、企業は従業員のスキルアップや教育・訓練に力を入れ、最新技術への対応力を高める必要があります。
  2. 多様な人材を抱える企業
    多様な人材を抱える企業では、従業員がそれぞれ異なるバックグラウンドや能力を持っているため、それを最大限に生かす経営手法が必要です。人的資本経営を取り入れることで、個々の能力を生かし、多様な人材を組織の強みとすることができます。
  3. 国際化が進む企業
    グローバル化が進む現代では、多言語・多文化を理解することが求められます。そのため、企業は多言語・多文化に対応した人的資源の活用や、異文化コミュニケーション能力の向上などを図る必要があります。
  4. 人材不足が懸念される企業
    人材不足が懸念される業界・分野では、従業員の定着率を高めることが重要です。従業員が働きやすい職場環境を整備することや、キャリアアップ支援などの施策を実施することで、従業員の定着率を向上させることができます。

人的資本経営が必要な企業は、さまざまな業界・分野に存在します。企業が最大限に従業員の能力を活用し、競争力を強化するためにも、人的資本経営の手法は近年大切にされています。

人的資本経営を導入するには何が必要か?

人的資本経営を導入するには、以下の要素が必要とされます。

  1. 経営者の理解とコミットメント
    人的資本経営を導入するには、経営者がその価値を理解し、積極的に支援することが必要です。経営者は人材を経営資源として捉え、長期的な視野で戦略を立てる必要があります。
  2. オープンなコミュニケーション
    人的資本経営を導入するためには、従業員とのオープンで透明性の高いコミュニケーションが必要です。従業員の意見やフィードバックを聞き、それをもとに改善策を立てることが求められます。
  3. 専門知識と技能
    人的資本経営を導入するためには、人事部門や専門のコンサルタントなど、専門知識と技能を持つ人材が必要です。人的資本の評価や、従業員のモチベーション向上のための施策など、専門的な知識が求められます。
  4. 人材データの収集と分析
    人的資本経営を実現するためには、人材データの収集と分析が必要です。従業員の能力やパフォーマンス、離職率などのデータを収集し、それをもとに経営戦略や人事施策を改善していくことが必要です。
  5. ITシステムの導入
    人的資本経営を導入するには、ITシステムの導入が必要となります。従業員データの収集や分析、人事施策の実行など、多岐にわたる作業が必要となりますので、ITシステムを活用することで効率的に業務を進めることが求められます。

人的資本経営は、従業員を組織の資産として捉え、人材育成や働き方改革、雇用環境の整備などを通じて、企業の生産性やイノベーション力を向上させる経営手法です。

人材の有効活用により企業価値を高め、競争力を強化することが求められる現代において、人的資本経営は重要な戦略の1つとなっています。従業員のモチベーション向上や働き方改革の推進にもつながるため、社員の幸福度向上にも繋がります。

重要性を認識していたとしても具体的な取り組みや改革には時間がかかります。従業員のメンバー層ではなく、決裁権を持つマネージャー層がこの分野を率先して取り組むことが今後大切だと考えます。

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