【出資・融資・投資】の違いは⁉︎優秀なビジネスパーソンなら知っておきたいそれぞれのメリット・デメリット!
多様な価値観が増えつつある中で、将来「起業」を検討している方もいると思います。就職をして実務経験を高めるか、思い切って独立・起業・個人事業主として働く方法もあります。そこで今回は、基本的な出資・融資・投資の違いについてお伝えしたいと思います。
出資・融資・投資の違い
投資とは
投資とは、将来的な利益を見込んで資金援助をすることです。
「出資」や「融資」も投資の一部になりますが、一般的には企業の株式を購入するなどし、企業が成長した際に配当の恩恵をうけることが挙げられます。
出資とは
出資とは、事業の成長を見込んでお金を出すことです。
投資の一部として考えられており、投資家が株式を購入することで資金援助をすることが一般的な方法です。
特徴は、出資を受けた企業は返済の必要が無く、資金援助を受けられる点が挙げられます。
融資とは
融資とは、銀行や金融機関が資金を援助することです。
「投資」と「出資」と違う点は、「融資」には返済義務があり、決まった返済額に利息を足した金額を返済する必要があります。
出資のメリット
利息が掛からない
出資には基本的に利息が掛かりません。
融資の場合は、金額に対し決められた「利息」が掛かります。利息が掛からない「出資」は大きなメリットといえます。
返済不要
出資とは返済不要の資金援助を受けることです。
借金ではないため、投資家は援助をする会社の将来的な可能性に対して、資金を出します。創業したばかりで金融機関から融資が受けられない場合は、有効な資金調達手段であるといえます。
投資家からアドバイスを受けられる
出資をする投資家たちの中には、実際に事業を成功させた方も多くいます。
その方達から事業成功の為のノウハウや、アドバイスを受けられることは大きなメリットです。
出資のデメリット
経営権を握られる可能性
出資とは将来的な可能性に対して資金援助を行うことです。
株式の取得が一般的な方法であり、これが多ければ経営者の保有株式の比率が下がります。
持ち株比率 | 株主の権利 |
1株以上 | ・議事録閲覧権 ・株主代表訴訟 |
1% | 株主総会における議案提出権 |
3%以上 | 主総会の招集、会社の帳簿等、経営資料の閲覧ができる。 |
33.4%(1/3以上) | 特別決議を単独で阻止することが可能 |
50.1%(1/2超) | 株主総会の普通決議ができる。 役員報酬の変更、剰余金の配当などの事柄を単独で可決できる。 |
66.7%(2/3以上) | 株主総会の特別決議ができる。 取締役の解任、定款変更、合併や解散、など、会社経営に関する重要な事柄を単独で可決できる。 |
100% | 全て自分の意志で決定する事ができる。 |
経営権は、株主が強くなる分、自身の立場が弱くなり、経営権を握られる可能性が出てきます。
1/2超ではあれば普通決議が可能になり、普通決議では、役員の報酬額を決めたり、会社の剰余金を株主に増配したりなど使い道を決める事ができます。
ただし、それ以上の特別決議については単独で通すことはできないので、絶対的な権力があるとはいえません。
2/3以上の持ち株比率があれば、特別決議ができるので、会社における重要事項を一人で決める事ができます。
重要度の高い決議事項、定款の変更や解散、合併、事業譲渡など、会社組織に関する事項を決める事ができるので、一人で会社経営する方や中小起業のオーナーならこの持ち株比率を保持しておきたいところです。
安心して経営するのに必要な持ち株比率は、2/3以上であることが重要です。2/3以上の持ち株比率であれば、会社の経営に関わる重要な決議を社長の裁量と判断で行うことができることから出資される場合は把握しておきましょう。
経営の自由度低下
出資をした株主は、株式の保有により経営する権利を得ることになります。
そのため、ある程度出資者の以降に沿った経営をしていかなければなりません。外部の株式保有率が高くなるほど、経営のかじ取りの自由度はさらに低下すると考えておきましょう。
詳細上記でお伝えしているため、ここでは割愛します。
配当金が上がれば融資の方が良い場合もある
出資した株主には配当金を受け取る権利があります。
また、事業が成功すればさらに配当金は高くなり、コストがかかることになります。
融資のように利息が掛からない分、コストを低く考えがちですが、配当金が高額となった場合は、融資のコストの方が低かったということもあります。
配当金の目安として、配当性向という考え方があります。
配当性向(%)=配当金支払総額÷当期純利益 × 100
税引後の利益に対して、何%配当しているか、ということです。これが高ければ、利益に対してたくさんの配当をしている、ということです。
配当性向が低い場合は、配当をせずに内部留保している割合が高い、ということになります。
配当性向は、一般的には20%~30%くらいが多いようですが、中小零細企業では、配当していない会社の方が多いため、配当金は決めの問題でもあります。
融資のメリット
低金利で借入ができる
銀行や、金融公庫からの融資は、消費者金融などの借金とくらべ金利が非常に低いのが特徴です。
日本政策金融公庫の場合は2~3%と低く、対して消費者金融の場合は15%〜18%程度なため、低金利な方が返済額も少なくはなります。
経営の自由度が高い
融資は投資家への株式発行で資金を得るのではなく、銀行などから直接借入するものです。
そのため、株主に経営権を取られたりする心配がなく、自由度を高く経営を進めることができるのは、メリットかもしれません。
融資のデメリット
返済義務
融資はいわゆる借金のことです。
当然返済する義務が生じ、契約通りの返済金の他に金利が発生します。返済義務のない出資と比べると、デメリットといえます。
審査が必要
融資にはさまざまな種類がありますが、いずれも受けるにあたって審査が設けられています。
審査には時間がかかり、銀行>信用金庫>日本政策金融公庫の順に審査が厳しいといわれています。
一方であえて融資を受け、返済「実績」を残すことで「融資額」を増やしていく方法もあることから必ずしもデメリットではないかもしれません。
返済滞納によるリスク
延滞した場合は、信用に関わるため、クレジットカードなどの作成もしづらくなります。
滞納しなければ問題はありませんが、事業計画が必要といえます。
出資を受ける方法
出資を受ける方法について、それぞれ解説していきます。
ベンチャーキャピタル(VC)
ベンチャーキャピタルは、今後高い成長が予測されるベンチャー企業や、スタートアップ企業に対し出資を行う投資会社のことです。
未上場の企業に対して出資し、上場後にその株を売却することで、その差額を利益として得ています。
当然ながら出資した企業が成長しない場合は資金を回収することができません。
よって、出資先企業の成長の手助けや支援なども行っているのが特徴です。
個人投資家
個人投資家とは、一個人が個人的に投資を行うことを指します。
起業して間もない時は資金調達がしづらい状況にあります。しかし、個人投資家はそういった融資を受けづらい企業に対し出資し、株式の提供と引き換えに出資のみならず経営支援なども行う投資家もいます。
クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、インターネットを通し、不特定多数の人が出資を行うことです。
一般的にはインターネット上にプロジェクトを立上げて支援を募り、追って対価を支援者へリターンすることで成り立っています。
いくつかの種類があり、「寄付型」「購入型」「投資型」の3つがよく知られています。
エンジェル投資家
エンジェル投資家とは、起業したばかりの企業に対し出資をする投資家のことを指します。
ベンチャー企業をメインに出資する投資家のことを「エンジェル」と呼び、出資した企業が成長した際に株式などで対価を受け取っています。
現物出資
現物出資とは、現金以外のものを出資金に充てる事を指します。
会社の設立には1円以上の出資が必要ですが、資金の代わりとして、不動産や車など現物で出資をすることができます。
融資を受ける方法
融資は、金融機関がお金を貸すことを指します。融資は同じ借金でも、借りたお金を元手として事業を進めることを目的に借りるものです。
融資を受ける一般的な方法は、銀行など金融機関から借りる方法があります。
ここで重要なのは、借りるタイミングです。すでに資金繰りが厳しい企業に融資した場合、返済されるかリスクがあるため、資金が底をついてからでは銀行からの融資は受けづらくなります。
そうなる前に準備をしておきましょう。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫とは、国が100%出資している金融機関のことです。
事業を始めたばかりや、これから始めたい人に向けた「創業融資」などで起業支援をしています。また、コロナウイルスなどによる不況のあおりを受けた中小企業向けに「事業資金融資」も行っています。
ビジネスローン
ビジネスローンとは、消費者金融で行っている融資サービスです。
審査が比較的甘く、銀行で融資を断られてしまった場合でも受けられる可能性が高いといわれています。
しかしその反面、金利が高く結果として返済額が高くなりうる点がデメリットとして挙げられています。
ファクタリングサービス
ファクタリングサービスとは、資金調達方法の一つで融資とは異なるサービスです。
事業をしている中で急にお金が必要となった際、売掛金をファクタリング会社へ売却し、すぐに現金として前払いしてもらうことができます。
銀行など金融機関に融資を断られてしまった場合には、有効な手段の1つですが、売掛金の範囲内でしか資金調達が出来ない点がデメリットです。
まとめ
資金調達には、「出資」と「融資」を同じように考えられがちですが、中身は全く違うものです。
正しく理解して自身の事業に合った方法を選ぶことが重要です。
「出資」は返済義務が無いが、事業の自由度に影響が出る可能性がある。「融資」は返済義務がある。この二つをまず覚えておけば問題はないでしょう。
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