【新卒1年目の転職は厳しい⁉︎】リスクや成功させるポイントについてプロが解説
新卒1年目での転職がおすすめできない理由
新卒1年目での転職はあまりおすすめできません。
ただし、個々の状況によって異なるため、以下の理由がすべての人に当てはまるわけではありません。それらの理由を考慮して、自分にとって最善の選択を判断することが大切です。
経験不足
新卒1年目のうちは、まだ実務経験が十分ではないため、他の企業での競争力が低くなりがちです。少なくとも2-3年は経験を積むことが、転職市場でより魅力的な候補者となるために重要です。
経験不足により「書類選考」でお見送りになる可能性や応募ができない企業が存在します。
企業へのコミットメント不足
新卒入社後1年で転職すると、雇用者からコミットメントが足りないと見られることがあります。企業は長期的な戦力として新卒を採用することが一般的であり、すぐに転職すると信頼関係が損なわれることがあります。
社会人スキルの向上
新卒1年目は、社会人としてのスキルを磨く大切な時期です。コミュニケーション能力やチームワーク、問題解決力など、1年では十分に身につかない場合があります。これらのスキルは転職にも役立つため、短期間で転職を決断する前に、十分に磨くことが大切です。
人間関係や業務環境の適応
新卒1年目は、職場の人間関係や業務環境に適応する期間です。短期間で転職を考える前に、自分自身が十分に適応できているかどうかを見極めることが重要です。
第二新卒の約1割は1年目で転職している
厚生労働省の資料によると、大卒者の1割は就職1年目で離職しています。
学歴 | 3年目までの離職率 (2018年3月) | 内訳 | ||
1年目 | 2年目 | 3年目 | ||
中卒 | 55.0% | 35.8% | 12.5% | 6.8% |
高卒 | 36.9% | 16.9% | 11.9% | 8.1% |
短大卒等 | 41.4% | 17.9% | 13.0% | 10.6% |
大卒 | 31.2% | 11.6% | 11.3% | 9.3% |
3割の人間が3年以内に離職するという実情があります。
新卒1年目でも転職しても良いケース
新卒1年目でも転職しても良いケースはいくつか存在します。転職支援のプロの視点を交えて、以下のシチュエーションを考慮してください。
- 労働環境の問題
職場の労働環境が悪く、精神的・身体的な健康に悪影響を及ぼす場合、早期の転職を検討することは正当化されます。長期的なキャリアや人間関係よりも、自分の健康を優先することが重要です。 - 会社の経営状況
会社の経営状況が悪化し、給与が遅れる、リストラの噂があるなどの兆候が見られる場合、早期の転職を検討することが良い選択となります。 - キャリアの方向性
新卒1年目であっても、自分の将来のキャリアに対する明確なビジョンがあり、現在の企業でそのビジョンを実現できない場合は、転職を検討することが適切です。 - スキルの獲得・活用
新卒1年目であっても、現在の職場で自分が習得したいスキルや得意分野を十分に活かせない場合、自分の成長やキャリア形成に適した企業への転職を検討しても良いでしょう。
新卒1年目での転職を再検討した方が良いケースは!?
新卒1年目での転職を再検討した方が良いケースは、以下のような状況です。
ただし、個々の状況によって異なるため、以下の理由がすべての人に当てはまるわけではありません。それらの理由を考慮して、自分にとって最善の選択を判断することが大切です。
十分な検討期間がなかった
転職を決定する前に、十分な検討期間を設けることが重要です。転職を急いで決断してしまった場合、再検討して冷静に状況を見直すことが良いでしょう。
イメージとのギャップやストレスが大きい状態ですと正常な判断が難しいことがあります。
親族や友人に相談する場合、「もう少し頑張ってみたら?」と言われるかと思います。
とはいえ、転職支援のプロではないので、一度プロに相談することをおすすめします。
新卒1年目は、職場の人間関係や業務環境に適応する期間です。転職を決断する前に、自分自身が十分に適応できているかどうかを見極めることが重要です。
マインドセットをすることで、道が拓ける可能性があります。ビジネス書などの書籍を読むことをおすすめします。
転職理由が曖昧
転職を考える理由が曖昧である場合、再検討することが望ましいです。
自分がどのようなキャリアを目指しているのか、現在の職場でそれを実現できるかどうかを慎重に評価しましょう。
現職でまだ成長機会がある場合、転職を急ぐ必要はありません。
自分が獲得したいスキルや経験を現職で積むことができるかどうかを再評価しましょう。
他の解決策を試していない
転職以外にも、職場の問題や自分の不満を解決する方法がある場合があります。上司や同僚とのコミュニケーション、業務内容の変更、労働環境の改善など、他の解決策を試してみることが望ましいです。
転職先の情報が不十分
転職先に関する情報が不十分な場合、再検討が必要です。転職先の業務内容や企業文化、将来性などが不明瞭な場合は情報収集が必要です。
1年未満の転職が2回続くと、良い条件で再就職できる確率が下がります。短期離職懸念でお見送りになることが多いので、注意が必要です。
新卒1年目の面接でのポイント
面接は、転職先候補の企業に意欲や能力があるかを試される機会でもあり、逆に自分側が企業と自分とマッチングしているかを確かめる機会でもあります。
新卒1年目で転職する場合、次の転職先候補で面接を受けるときは、次のことを意識して臨みましょう。
- 前職を退職するまでの経緯を理路整然、かつ、誠実に話す
- どれくらい問題の改善の工夫をしたかを整理して話す
面接では「希望していた仕事をさせてもらえなかった」「上司が厳しすぎた」などの不満や悪口を言わないようにしましょう。
若手のうちは、希望する仕事を最初からやらせてもらえないことや、勤務態度を指導されることもあります。
明らかなパワハラを受けていたなどのケースを除き、転職先でも起こりうることを退職理由にしないほうがよいでしょう。
面接では、1年目の転職がネガティヴであることを認識した上で転職活動をしている旨をしっかりと伝えましょう。
新卒1年目での転職するリスク
年収が下がる場合もある
転職先での年収は上がるとは限らず、むしろ下がる可能性があります。
1年目の転職は、即戦力というわけにはいきません。
業界や会社、業務内容によって年収が下がる、または維持されることさえあれ、上がる可能性は低いことを踏まえたうえで転職しましょう。
ただし、将来的には転職先での実績や昇進によって、収入が上がる可能性は大いにあります。
新卒1年目とほぼ同じ位置からキャリアを形成していけるため、将来の収入見込みに大きな違いは生じないといえるでしょう。
応募できる求人数は多くない
新卒採用を主軸に求人をおこなう企業は少なくありません。
そのため、応募できる求人案件は、新卒就活のときほどは多くないことに留意しましょう。
しかし、第二新卒以降の転職活動とは異なり、これまでの職歴やスキルや即戦力性をそこまで問われにくいため、別の業種や職種に挑戦しやすいメリットもあります。
興味のある仕事があれば、今からキャリアを形成できるように、その分野の求人案件があるかどうかを調べておきましょう。
希望条件の転職は叶いづらい
転職活動では年収や待遇などの交渉がおこなわれることがありますが、第二新卒の人材としての立ち位置は、即戦力ではなく「まだまだこれから」な新人枠のため、企業側の提示した条件での転職になることが多いでしょう。
新人としてのスタートダッシュを切れることは悪い点ばかりではありません。
会社からその仕事に必要な能力を身に付けるための時間やリソースを割いてもらいやすく、自身の能力を伸ばせる可能性は、第二新卒以降の転職よりも高いといえます。
新卒1年目の転職を成功させる人の特徴
新卒1年目の転職を成功させる人は、どのような特徴があるのでしょうか。
- 短期離職を反省し、やる気をアピールできる人
- キャリアプランを具体的にイメージできている人
- 情報収集を徹底し転職サービスを上手に活用する人
新卒1年目での転職の場合、面接官は「またすぐに辞めてしまわないか」という点に注目しながら面接をします。
したがって、上記のように意欲的で有望な人材であることをアピールする必要があります。
面接官に「意欲があり、長期的な視点を持つ人なので、こちらの仕事を長く続けてもらえるかもしれない」と思わせることが大切です。
この転職が気まぐれではなく、自分のキャリアのために不可欠な行動であることをアピールし、転職を成功させましょう。
新卒で転職したいけど、タイミングはいつがいい?
新卒1年目でも転職は可能ですが、望ましいタイミングは2〜3年目です。
企業にとっての第二新卒採用のメリットの一つに、教育コストがあまりかからない点があげられます。
しかし、新卒1年目の場合は、社会人経験がほとんどないに等しいため、その点の期待ができないためです。
ただし、「転職先にどう貢献できるか」「転職する明確な目的と意志」「1社目での困難に対してどのように努力や工夫をしたか」などをアピールできれば、新卒1年目でも転職できる可能性は高まるといえるでしょう。
大学卒業後3年以内に3人に1人が離職を経験している事実があり、新卒1年目での転職は決して珍しいものではありません。
今の会社ではやりたい仕事や築きたいキャリアが実現できない、会社の社風や企業文化に馴染めないなどの事情がある場合は、無理をして現職で仕事をしようとせずに、新卒1年目であっても転職を始め、自分と相性がよく、働きやすい職場・仕事を探したほうがよいでしょう。
転職候補先の面接では「意欲があり、長期的な視点を持つ人なので、こちらの仕事を長く続けてもらえるかもしれない」と思ってもらえるようにすることが大切です。そのためにも、転職先での意欲と、自分のキャリアや人生の長期的な展望を伝えられるように準備をしましょう。
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