【会社から整理解雇を言い渡されたらどうすればいい?】転職に必要な手続きをプロが解説します
・「何から手を付けたらいいのか分からない」
・「次の仕事探しはどうしたらいいのだろう」
さまざまな不安があるかと思います。今回、転職活動に影響するリスク、転職活動を成功させるポイントについて解説していきます。
整理解雇とは、会社の業績が不振となったとき、固定費削減などの目的から人員整理のために行わる解雇(リストラ)のことを指します。
まず、原因が会社側にあるため、退職理由として伝えても転職活動でマイナスになることはありません。面接で前職の業績状況をはっきり述べることができれば問題はないため、安心してください。
リストラで退職。退職理由として伝えても良い?
この場合は、納得性を高めるためにも、事実を正直に伝えて問題はありません。
ただ、中途採用の場合、企業は、退職理由よりも転職理由に注目します。ですから、伝える際には、退職理由に終始するのではなく、応募先企業へ向けた前向きな転職理由をしっかりお伝えいただくことをおすすめします。
例えば「会社の業績不振が原因で、今回退職する運びとなりました。現職では〇〇に従事しており、これを機にこのスキルを活かしながら、キャリアアップができたらと考えています。など、今までと今後を絡めたアピールができると、効果的です。
整理解雇の場合、「伝え方」はあまり難しくありませんが、今後を絡めたアピールについては言語化が必要になります。
場合によっては転職サービスの利用をおすすめします。
リストラによる転職活動:いつまで大丈夫!?
まずは「転職先が決まっていなくても、いつまで大丈夫か」を整理してみることをお勧めします。
いつまでに転職をするという設定をすると「早く安心したい」「退職した翌日には働き始めたい」という希望で決めてしまう傾向があります。
理想的なスケジュールだけを設定すると、期限が近づいた時に「早く決めなくては」と焦って自分に合っていない会社に転職してしまうリスクもあります。
そうならないためにも「いつまでに転職をする」ではなく、「いつまでなら決まってなくても大丈夫」と焦って転職先を決めなくてもいい期間を最初に定めておくと安心です。
いつまでなら収入がなくても生活ができるのかを整理して、転職の最終ラインを設定しましょう。
ただ、年齢やこれまでの経験によっては、離職期間があると不利になることがありますので転職エージェントに相談されることをおすすめします。
失業保険が振り込まれるのは約1ヶ月後
会社都合退職の場合、失業保険が振り込まれるのは約1ヶ月後です。
金額は賃金日額に対して50〜80%で、年齢や雇用保険に加入していた期間、退職前の半年間にもらった給料(賞与などを除く)によって異なります。
失業保険の詳細はハローワークで確認しておくと良いでしょう。
解雇が納得できない場合は、解雇理由証明書を企業からもらう
整理解雇を告げられたら、解雇理由証明書を会社に請求しましょう。解雇理由証明書とは、会社が労働者をどんな理由で解雇するのかを記した書類です。
労働基準法22条は「労働者が証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない」と規定しています。
解雇した従業員に対して一律に交付する必要があるわけではなく、従業員から請求があった時に発行する必要があります。
解雇理由証明書は、離職票のように公的な手続きに必要となるものではありません。
そのため、転職活動・行政手続きで必要になることはないため「不当解雇として争うかどうかの検討材料にするため」「不当解雇の裁判や労働審判の証拠書類にする」場合において請求するようにしましょう。
転職サービスは複数利用して進めるのが定石
整理解雇を経験した後の転職活動では、複数の転職サービスを利用して進めることが一般的な戦略です。
複数の転職サービスを利用することで、可能性のある求人を模索することができます。また転職サービスの併用は、市場における自身の価値をより正確に把握するのにも役立ちます。
特に整理解雇後の転職では「面接対策」「書類作成」「意思決定」などいくつか押さえておくべきポイントがあります。新しい職種や業界への挑戦を考える人も多く、多様な選択肢を検討できることは大きな利点となります。
次に、異なる転職サービスはそれぞれ特色を持っています。
例えば、一部のサービスは特定の業界や職種に特化している可能性があり、他のものは幅広い業界をカバーしています。また、キャリアアドバイザーやコンサルタントの質もサービスによって異なるため、複数のサービスを利用することで、より質の高いアドバイスやサポートを受ける機会を増やすことができます。
さらに、整理解雇後の転職活動は、しばしば時間が限られています。複数の転職サービスを活用することで、同時並行で複数の求人にアプローチできるため、効率的に転職活動を進めることが可能になるためおすすめです。
総合型エージェントサービスを1社、特化型エージェントを2・3社利用することをおすすめします。