【転職サイト vs 転職エージェント】違いと選び方をプロが徹底解説!

転職エージェントとして4,000名以上のキャリア支援実績を活かし、転職サイトと転職エージェントの本質的な違いを解説します。実際の現場で得たノウハウと企業の採用視点を掛け合わせ、どちらを選ぶべきか、あるいは両方をどう活用すれば最適な結果につながるかをプロ目線でお伝えします。
転職サイトとは?自分で動く自由度の高さ
転職サイトは、求職者が自ら求人を検索し応募するオンラインサービスです。代表的な例としてリクナビNEXTやマイナビ転職、dodaサイト版があります。スカウト機能や自己分析ツールが整備され、自分のペースで活動できる一方、企業研究や応募書類、面接対策はすべて自己完結が求められます。自立型の転職スタイルを好み、経験やスキルに自信がある方に適しています。
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転職エージェントとは?プロと二人三脚の伴走サポート
転職エージェントは専任のキャリアアドバイザーが求人紹介から書類添削、面接対策、年収交渉まで一貫サポートするサービスです。リクルートエージェント、dodaエージェント、JACリクルートメントなどが有名。エージェントは企業から成功報酬を受け取るビジネスモデルのため、「お金を出してでも採用したい」と判断されたスキルや経験を持つ人材に集中して支援します。初めての転職、不安が大きいキャリアチェンジの方に最適です。
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両者のサービス比較:表で見る違い
項目 | 転職サイト | 転職エージェント |
---|---|---|
活用方法 | 自己検索・応募 | アドバイザー紹介・応募 |
サポート範囲 | なし(自己完結型) | 書類添削、面接対策、交渉まで全面支援 |
求人種類 | 公開求人のみ | 公開求人+非公開求人 |
進行自由度 | 高い(自分のペース) | 担当者との調整が必要 |
費用 | 無料(広告モデル) | 無料(成功報酬型) |
向いている人 | 経験者、自主性の高い人 | 初転職者、キャリア不安のある人 |
主なデメリット | サポート不足、ミスマッチのリスク・年収交渉を自分でしづらい | 担当者依存、求人提案が絞られる可能性 |
転職サイトが最適な人の特徴
自分で情報を収集し、応募までを自己管理できる方は転職サイトが向いています。特に業界経験が豊富で、応募書類や面接に自信を持っている方にとって、スピード感を持って進められる利点があります。自己分析が完了しており、どのポジションに応募すべきか明確なビジョンがある場合、最も効率的な手段となります。
転職エージェントが最適な人の特徴
キャリアの棚卸しや応募書類のブラッシュアップに不安がある方、条件交渉をプロに任せたい方には転職エージェントがおすすめです。企業ニーズに合わせた求人提案と面接対策が受けられるため、自分だけでは気づきにくい強みの発見や、年収交渉のノウハウを活用できます。
自己応募で面接対策が難しい理由と注意点
自己応募では企業の面接フローや出題傾向を把握しづらく、直接的なフィードバックも得られません。限られた情報で準備を進めると、想定外の質問への対応力が低下しやすく、練習不足で本番に臨むリスクがあります。対策として、質問パターン集やオンライン支援サービスで幅広く学び、自己録画で客観的に自己評価することが効果的です。
外部キャリアコーチや専門型エージェントのスポット面談を活用すれば、第三者視点のフィードバックが得られ、面接対策をさらに強化できます。
通過率の違いと求人の種類の比較
転職サイト経由の応募では書類選考通過率は約5%。自身で書類を作成する難度が影響します。一方、エージェント経由では担当アドバイザーが書類添削や企業調整を行うため、通過率は約20%に向上します。
項目 | 転職サイト応募 | エージェント経由応募 |
---|---|---|
書類選考通過率 | 約5% | 約20% |
求人形態 | 公開求人のみ | 公開求人+非公開求人 |
競争率 | 高い | 緩和(スクリーニング済み) |
情報の深さ | 応募情報に限定 | アドバイザーが詳細を提供 |
どんな企業が利用しているか
大手・上場企業は大量採用でブランド力を活かす際に転職サイト、管理職や専門スキル採用ではエージェントを併用します。中堅・中小企業は認知度補完のためサイトを活用し、即戦力採用時にはエージェントを利用します。
ベンチャー・スタートアップはスピード重視の急募ポジションをエージェントで依頼し、必要に応じてサイトのダイレクトスカウトを併用します。
近年は大手・ベンチャー問わず企業から直接スカウトが届く、ダイレクトリクルーティングが主流になりつつあります。

自己応募・エージェント利用どちらでも成功する書類作成のコツ

履歴書と職務経歴書はどちらの手段でも最重要です。履歴書には学歴・資格に加え、成果を簡潔に記載し、第一印象を強化しましょう。
職務経歴書では担当プロジェクトの達成率、売上向上率、工数削減時間など具体的な数値を用い、定量的に裏付けることで説得力を高めます。企業文化や業界特有のキーワードを盛り込み、マッチ度を意識して表現しましょう。
転職エージェントのビジネスモデルと利用心得

エージェントは企業から想定年収の30〜35%を成功報酬として得るため、「本気で採用したい」人材にリソースを集中します。経験やスキルが企業要件に合致しない場合、求人提案が限定的になります。登録時には自身の実績や強みを明確に伝え、マッチング精度を上げることが成功へのカギです。
転職エージェント活用の最適法:総合型と専門型の併用

転職エージェントには「総合型」と「特化型」が存在します。
総合型エージェントは、あらゆる業界・職種の求人を幅広く取り扱い、膨大な求人数を武器に「まずは選択肢を増やしたい」「いろいろ比較してみたい」というニーズに応えます。業界未経験の人や複数領域を同時に検討したい場合に向いており、担当者によっては別業界の求人を紹介してくれることもあるため、キャリアの幅を拡げたいときに頼りになります。ただし、得意不得意の業界が分散しがちで、深い業界知見が伴わないケースもあるため、紹介された求人に対してはこちら側で十分なリサーチが必要です。
一方、特化型エージェントは、IT・Web、金融、医療、製造業、クリエイティブなど特定の業界や職種にフォーカスしています。その領域に精通したコンサルタントが在籍し、市場動向や給与水準、社内文化まで深く把握しているため、応募企業の内部情報や選考のポイントを詳しく教えてもらえるのが大きな強みです。求人数は総合型より限られますが、フィット感の高い求人に絞って提案を受けられるため、「業界経験がある」「より上位ポジションを狙いたい」「専門領域でキャリアを磨きたい」という方に向いています。
つまり、総合型は「量と幅」でキャリアの可能性を広げるツール、特化型は「質と深さ」で確実に次のステップを掴むツールと言えます。どちらを使うかは、キャリアのフェーズや目指すポジションによって選ぶのがベストです。初めての転職や幅広い選択肢が欲しいときは総合型を、専門性を活かしてピンポイントに攻めたいときは特化型を。場合によっては両方に登録し、併用しながら最適な求人を探すのが効果的です。
転職活動を加速させる+αの戦略
キャリア相談サービスの使い分け
転職サイトとエージェントだけでは補い切れない部分をカバーするなら、キャリアコーチングや転職相談サービスの併用が効果的です。たとえば年間2,000件超の相談実績を誇るオンラインキャリア相談プラットフォームでは、60分単位で模擬面接や業界研究の深掘りセッションが受けられます。エージェントとの面談よりもフラットな視点でアドバイスを得られるため、「担当者依存」リスクを分散できます。
オンライン転職イベントの活用
近年はオンライン合同説明会やウェビナー形式の転職イベントが増えています。リアルイベントよりも参加ハードルが低く、地方在住でも大手企業や海外企業の採用担当と直接コミュニケーションできるのが魅力です。イベント参加後にエージェントの非公開求人を紹介されるケースもあるため、情報収集とネットワーキングの一石二鳥と言えます。
リファラル(社員紹介)制度との相乗効果
エージェント経由で面接が進む中、リファラル制度の活用も視野に入れましょう。最近は「リファラル+エージェント併用」で入社決定するケースが増えています。リファラル経由で応募すると書類通過率が30%近く向上するというデータもあり、エージェントの推薦と社員紹介のダブルブッキングによって、企業側の信頼度が高まるのが要因です。
副業・フリーランス経験を武器にする
専門スキルを持つ人は、副業案件やフリーランスの実績を職務経歴書に組み込むことで市場価値を高められます。とくにIT・Web領域では、副業案件を経て本採用につながる「試用雇用」的な動きが一般化しています。実績を定量化して示せれば、エージェントも自信を持って企業に推薦できます。
自分に合った選択が、転職成功への一歩
この記事では、転職サイトと転職エージェントの違いから選び方、併用方法まで、著書を複数持つプロの知見を交えて解説しました。転職に“正解”はありません。重要なのは、自分のキャリアビジョンに基づいた主体的な選択です。信頼できる手段を活用し、前向きな一歩を踏み出しましょう。皆様の次のステージが実り多いものになることを心より願っています。