【医療事務から転職】中途採用・就職・面接対策・気になる年収・転職難易度をプロが解説
医療事務として働いている皆様が転職を考える理由はさまざまです。キャリアアップや新しい挑戦を求める方、あるいは労働環境や待遇に不満を感じている方もいるでしょう。
医療事務は、医療機関の重要な役割を担う仕事ですが、その業務内容はルーティン化しやすく、キャリアの進展が限られることがあります。そうした中で、異業種への転職や、さらなる専門性を求めたステップアップを目指すことは自然な流れです。
本書では、医療事務からの転職を検討する方々に向けて、転職市場の現状や成功するためのポイントについて解説します。
未経験の職種や異業種へのチャレンジに不安を抱く方も多いかもしれませんが、実は医療事務で培ったスキルは他の職種でも十分に活かせるものです。皆様が理想のキャリアを実現するために必要な情報を、本書を通じて提供いたします。新しい一歩を踏み出すための参考にしていただければ幸いです。
医療事務から転職:主な転職理由は?
医療事務から転職を考える際の主な転職理由には、以下のようなものがあります。
1. キャリアアップの機会が少ない
医療事務は専門職であるため、ある程度の経験を積むと業務がルーチン化しやすく、キャリアアップの機会が限られていると感じる方が多い傾向にあります。このため、もっとキャリアの幅を広げたい、あるいは管理職や別の専門職へ転職を希望する人が多いです。
2. 給与や待遇への不満
医療事務は給与水準が他の業種と比べてやや低い傾向があります。特に、労働時間や業務量に見合った報酬が得られないと感じる場合、給与や待遇の改善を求めて転職を考えることがあります。
3. 業務の負担が大きい
医療事務の仕事は、レセプト業務や患者対応など、業務量が多く、時期によっては非常に忙しいことがあります。これにより、心身の負担が増し、働き方を見直したいと考える人が転職を検討することがあります。
4. 仕事のやりがいや成長機会の欠如
医療事務の業務がルーチン化しやすいため、仕事に対するやりがいや達成感を感じにくいことがあります。自己成長や新しいスキルの習得を求めて、他の業種や職種へ転職するケースも多いです。
5. 人間関係の問題
医療機関内の人間関係、特に医師や看護師、他の事務スタッフとの関係がうまくいかない場合、それが転職理由になることもあります。職場環境や人間関係が良好でないと感じた場合、新しい環境を求める傾向があります。
これらの理由は個人の状況によって異なりますが、医療事務からの転職を検討する多くの方に共通する動機となっています。
医療事務から転職:主な転職先は?
「医療事務からの転職」を考える際に、プロの視点と即戦力採用の基準に基づいた主な転職先を以下に示します。医療事務で培ったスキルを活かしつつ、キャリアアップや新たな挑戦を求める方に適した職種を紹介します。
医療機器メーカーの営業職
医療事務で得た医療知識や病院内での業務経験は、医療機器メーカーの営業職で大いに活かされます。医療従事者と同じ目線で製品の説明や提案ができるため、即戦力としての採用が期待されます。営業職に抵抗がなければおすすめです。
医療機器メーカーの年収は、職種や企業の規模によって大きく異なりますが、営業職や技術職では500万円~800万円が相場であり、管理職になると1000万円以上の年収も珍しくありません。外資系企業や大手企業では、さらに高い給与が期待できることもあります。
クリニックや病院の総務・経理
医療事務でのレセプト業務や会計処理の経験は、総務や経理業務に直接結びつきます。特に医療機関に特化した経理業務において、医療特有の会計処理や保険請求の知識が評価されます。
医療関連のコールセンター
医療事務の業務で培った電話対応スキルや医療知識は、医療関連のコールセンター業務に活かされます。特に、医療相談やサポート業務において、患者の立場を理解した対応が即戦力として評価されます。
医療関連のコールセンターでは、医療機関や医療サービスをサポートするための様々な業務が行われています。以下に、具体的な企業や業務内容を紹介します。
医療機器メーカーのコールセンター
■業務内容
医療機器に関する問い合わせ対応や、故障対応、使用方法の説明などが主な業務です。医療機器の利用者や医療従事者からの技術的な質問に答えることが求められます。また、トラブルシューティングや定期メンテナンスの案内なども含まれます。
■代表的な企業
ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップス、シーメンスなど。
医療系BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)企業
■業務内容
医療機関の業務を外部から支援するコールセンター業務が主です。これには、患者対応、請求業務、データ管理などが含まれます。専門的な知識とスキルが求められるため、医療事務の経験が役立つことがあります。
■代表的な企業
テンプスタッフ、スタッフサービス・メディカル、アデコなど。
医療事務ソフトウェアのカスタマーサポート
医療事務の経験を持つ方は、医療事務ソフトウェアのカスタマーサポート業務で即戦力となります。ユーザーの立場に立った丁寧なサポートを提供するため、技術サポートの知識と医療現場の理解が評価されます。
学歴が高くコミュニケーション能力が高い方は「コンサルティングファーム」「外資系保険営業」などへ転職された方がいました。
医療事務から転職、病院とクリニックどっちがいい?
医療事務から転職を考える際、病院とクリニックのどちらが良いかは、個々のキャリアや働き方の希望に大きく依存します。
病院での医療事務
■メリット
- 規模が大きく、業務が専門化されている
病院では、医療事務の業務が細分化されていることが多く、受付・会計・レセプト・カルテ管理など、特定の業務に専念できるため、専門スキルを深めやすいです。 - キャリアアップの機会が多い
病院は組織が大きいため、キャリアパスが明確に設定されていることが多く、管理職や他の部門への異動など、キャリアアップの機会があります。 - 福利厚生が充実していることが多い
大きな病院では、福利厚生が充実していることが多く、安定した職場環境を提供する場合が多いです。
■デメリット
- 業務が忙しいことが多い
病院は規模が大きく、患者数も多いため、忙しい環境で働くことになります。特に月末月初のレセプト業務など、繁忙期には残業が発生することも多いです。 - 業務がルーチン化しやすい
業務が分業化されているため、特定の業務に特化して行うことが多く、同じ作業の繰り返しになりやすいです。
クリニックでの医療事務
■メリット
- 幅広い業務を経験できる
クリニックでは、受付から会計、レセプトまで一人で担当することが多いため、幅広いスキルを習得することができます。 - 患者との距離が近い
小規模な環境のため、患者とのコミュニケーションが密に取れることが多く、やりがいを感じやすい職場環境です。 - 柔軟な働き方が可能
クリニックでは、残業が少ない場合が多く、ライフワークバランスを重視したい方に向いています。また、パートやアルバイトなど、柔軟な働き方も選択しやすいです。
■デメリット
- キャリアアップの機会が少ない
クリニックは小規模な組織であるため、昇進や他部署への異動などのキャリアアップの機会が限られています。 - 給与水準が病院より低い傾向がある
病院に比べると給与水準がやや低めであることが多く、特に規模の小さいクリニックではその傾向が強いです。
病院とクリニックのどちらが良いかは、あなたが何を重視するかによります。キャリアアップや専門性の高い業務を望むなら病院が向いていますが、柔軟な働き方や幅広い業務経験を求めるならクリニックが良いでしょう。自分のライフスタイルやキャリア目標に合わせて選択することが大切です。
医療事務から転職、病院とクリニックどっちが年収高い?
医療事務の年収について、病院とクリニックのどちらが高いかという点については、一般的に病院の方が年収が高い傾向があります。
病院での医療事務の年収
病院は規模が大きいため、給与水準が高い傾向にあります。特に大規模な総合病院や大学病院では、基本給に加えて手当やボーナスが充実していることが多く、年収に反映されます。
病院での医療事務の年収は、おおむね300万円~400万円程度が相場です。経験や役職によっては、それ以上の年収を得られることもあります。
クリニックでの医療事務の年収
クリニックは規模が小さく、病院に比べて収益の規模も限られているため、給与はやや抑えられる傾向にあります。また、勤務するクリニックの経営状況や地域によっても給与に差が出やすいです。
クリニックでの医療事務の年収は、250万円~350万円程度が一般的です。残業が少ない代わりに基本給が低めに設定されていることが多いです。
全体的に見て、病院での医療事務の方が年収が高い傾向にあります。病院では、規模の大きさから給与や福利厚生が充実していることが多いのに対し、クリニックは給与がやや低いものの、働きやすさや柔軟な勤務形態を求める人に向いています。
年収を重視する場合は、病院での勤務を検討するのが良いでしょう。
医療事務から転職:まとめ
「医療事務から転職」のガイドを最後までお読みいただき、ありがとうございました。医療事務としての経験は、患者対応や事務処理のスキルだけでなく、医療現場での柔軟な対応力や問題解決能力など、多くの能力を培ってきたことを意味します。
その経験を次のステップに活かし、新たなキャリアを築くことは、大きな挑戦であると同時に、貴重な成長の機会でもあります。
転職活動においては、自身の強みをしっかりと理解し、どのように次の職場でそれを活かせるかを明確にすることが成功の鍵となります。また、医療事務としての経験は多岐にわたり、他の業界でも十分に通用するスキルが多くありますので、自信を持って転職に臨んでください。
このガイドが、皆様の転職活動に少しでも役立ち、希望する新しいキャリアへの一歩を踏み出すための助けとなれば幸いです。今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。