【M&A業界への転職】未経験での挑戦・難易度・面接を突破するコツなどを徹底解説
「M&A業界に興味はあるが、未経験でも本当に転職できるのか」「年収が高い分、難易度が非常に高いのではないか」「面接では何を見られるのか」。
M&A業界への転職を検討する多くの方が、同じ疑問や不安を抱えています。
私はこれまで4,000名以上のキャリア支援に携わり、M&A仲介・FAS・事業会社のM&A部門への転職支援も行ってきました。その立場から断言できるのは、M&A業界は確かに難易度は高いものの、未経験だから不可能な世界ではないということです。
本記事では、M&A業界の構造、転職難易度の実態、未経験から挑戦できる条件、そして面接を突破するための具体的な戦略まで、現場視点で徹底的に解説します。
未経験でもM&A業界に転職できるのか!?|結論と現実
結論から言えば、未経験でもM&A業界への転職は可能です。ただし、誰でも可能というわけではありません。
実際に未経験から転職できている方には共通点があります。それは、「M&Aに近い素養・経験を持っている」「キャリアの一貫性を説明できる」「覚悟と学習量が伴っている」という点です。
営業経験者であれば、経営者との折衝力や数字目標へのコミット力が評価されます。金融・コンサル・人材業界出身者であれば、課題整理力や提案力が活かせます。また、20代であればポテンシャル採用として評価される余地もあります。
無形法人営業・もしくは経営者等への法人営業経験がほぼ必須であり、ある程度の学歴も必要になる傾向があります。短期離職を嫌う傾向があるため社会人経験2年以上を1つの書類選考基準に置く企業が多いです。
一方で、「年収が高そうだから」「なんとなくかっこいいから」といった動機だけでは、ほぼ確実に見送りになります。
未経験からM&A業界を目指すための現実的なルート
未経験者がいきなりFASや外資系に挑戦するのは、正直に言って難易度が高いです。現実的なルートとして多いのは、以下のような流れです。
中小企業向けのM&A仲介会社で経験を積み、案件全体の流れを理解する。あるいは、事業会社の経営企画・M&A推進ポジションで内部から関わる。そこで実績を作り、次のステップとして専門性の高い領域に進む。
このように、「最初から理想を狙いすぎない」ことが、結果的に近道になるケースは非常に多いです。
M&A業界とは何か|仕事内容と業界構造
M&A(Mergers and Acquisitions)とは、企業の合併・買収を通じて事業成長や事業承継を実現する手法です。M&A業界では、売り手企業と買い手企業をつなぎ、条件交渉、企業価値評価、契約締結までを支援します。
M&A業界と一言で言っても、実態は大きく分かれます。
中小企業の事業承継を中心に扱うM&A仲介会社、上場企業やPEファンドを相手にするFAS(財務アドバイザリー)、事業会社の経営企画・M&A部門など、それぞれ求められるスキルや難易度は異なります。
共通して言えるのは、「金額が大きい」「意思決定者との折衝が多い」「正解がない状況で判断する力が求められる」という点です。華やかなイメージとは裏腹に、極めて泥臭く、論理性と精神的タフさを要する仕事です。
M&A業界へ転職する魅力

M&A業界へ転職する魅力の一つは、年収が比較的高水準である点です。M&Aに携わるプロフェッショナルは、金融や法律、コンサルティングなど高度な専門知識を必要とされるため、その対価として高い報酬が提供されます。特に、ディールの規模や経験によって年収は大きく左右され、一流のM&Aアドバイザーやファイナンシャルアナリストは年収が1,000万円を超えることも珍しくありません。
さらに、M&A業界での経験は、転職市場での価値を大きく高めます。企業の合併や買収は、成長戦略の一環として多くの業界で重視されており、M&Aの専門知識は多様なビジネス領域で求められています。そのため、一度この分野でキャリアを築くと、他業界や異なるポジションへの転職も有利に進めやすくなります。市場での需要が高いM&Aスキルは、キャリアパスの選択肢を広げ、長期的な成長に繋がることが大きな魅力と言えるでしょう。
M&A業界の平均年収は?
M&A業界の平均年収は、職種や経験年数、企業規模によって大きく異なります。一般的には、金融業界の中でも高収入の部類に入り、特に外資系企業や大手金融機関で働くM&Aアドバイザーは、他の職種に比べて非常に高い報酬を得ていることが特徴です。
M&A業界の平均年収は、年齢や役職に応じて大きく異なりますが、新卒や若手のアナリストクラスでも年収が600万円〜1,000万円程度で成果を上げれば、年収は2,500万円以上、数億円のインセンティブを得るのも超えることも珍しくありません。
外資系投資銀行や大手の国内金融機関では、成果に応じたボーナス制度が充実しており、年収がさらに大きく変動することもあります。M&A案件の規模が大きければ、成功報酬として高額なボーナスを手にする機会も多く、実際の年収が平均を大幅に上回るケースも見られます。
報酬制度は大きく3パターンある
M&A仲介業界の報酬制度のパターンは大きく3種類に分けられます。
- 固定給は安いが、インセンティブが高い会社(粗利の20~40%が年収)
例)ベース360万円~420万円+インセンティブ(獲得粗利の20~30%程度が年収になるイメージ) - 固定は高いが高額なインセンティブ制度はなく会社業績に基づき一定の賞与を支給する会社群
例)ベース600万円~1,000万円+業績賞与 - ①と②の間程度の分配率を設定する会社群
大手M&A仲介会社ですと平均的な成約単価は、3,000〜5,000万円程度ですので年間2件成約すれば手数料額が1億円=年収2,000万円超という会社も珍しくありません。
M&A業界のトッププレイヤーの年収は、1億円を超えますが、同じM&A業界でも報酬制度が大きく異なりますので転職先を選ぶ際は注意が必要です。この辺りは専門エージェントが詳しいため、上手に活用をしましょう。

M&A業界へ転職:代表的な企業は?
まず、日本国内における代表的なM&A企業としては、以下の企業が挙げられます。
■日本M&Aセンター
M&A仲介業のリーディングカンパニーであり、中堅・中小企業のM&A支援に強みを持っています。特に日本M&Aセンターは、地域密着型のサービスを提供しており、地方企業の事業承継問題の解決にも取り組んでいます。
■M&Aキャピタルパートナーズ
こちらも中堅・中小企業を中心にM&A仲介を行う企業で、近年急成長を遂げています。豊富な事例と経験を持つ同社は、アドバイザーとしての質の高いサポートを提供し、クライアントからの信頼が厚いです。
■ストライク
ストライクは、M&A仲介だけでなく、M&Aに関連する情報提供やコンサルティングも手掛ける総合的なM&A企業です。特に中小企業向けの案件を得意とし、クライアントに合わせた柔軟な対応が評価されています。
■野村證券(M&A部門)
大手証券会社としての豊富なネットワークと資金力を背景に、大企業向けのM&Aアドバイザリーを展開しています。野村證券は特に大規模案件に強く、国際的なM&Aにも積極的です。
これらの企業は、それぞれ異なる強みを持っており、転職を検討する際には、どの規模の企業に向けたM&Aに携わりたいのか、どのような分野で経験を積みたいのかといった自分のキャリアビジョンを明確にすることが重要です。
M&A業界の仕事内容
M&A業界の仕事内容は、企業の合併や買収を成功に導くために、多岐にわたる業務を担当します。主な役割は、買い手と売り手を結びつけ、交渉を進めることですが、その背後には戦略的な分析、法務的なチェック、財務調査、そして取引後の統合支援までが含まれます。
まず、M&Aプロジェクトの最初のステップでは、対象企業の選定や市場分析を行い、買収の目的やシナジーを明確にします。その後、財務諸表やビジネスモデルを詳しく調査し、買収のリスクや潜在的なメリットを評価します。買収候補企業が決定したら、交渉に入ります。価格や契約条件を取り決め、法的な要件を確認しながら、取引成立を目指します。
M&A取引の完了後は、買収した企業との統合作業が始まります。このプロセスは、業務効率の向上や企業文化の統合を目指して行われ、M&Aの成功を左右する重要な段階です。
M&A業界では、法律や財務、経営戦略の専門知識が求められ、高度な分析能力や交渉力、コミュニケーションスキルが不可欠です。また、グローバルな案件も多く、国際的な視点と多文化理解も重要な要素となります。
M&A業界の面接では「M&A業界の仕事内容について簡単にアウトプットをお願いします」と聞かれることがあります。しっかりと把握しておきましょう。

①秘密保持書契約(NDA)
会社の保有情報を他の会社に開示する際に、情報漏洩や不正利用を防ぐ目的で締結する契約書を指します。基本的には初回面談で決算書を預かる際やマッチング候補先(売り手候補・買い手候補)を開示する際に結びます。
②基本合意契約書(LOI)
最終契約に至る前の途中段階で締結するもので、マッチング先が決まり具体的な条件面を調整するための契約書で基本的にはこの条件を元に最終合意までの調整をします。ただ、基本合意を結んだからと言って、その条件でM&Aをしないといけないというわけではなく、あくまで最終合意の前段階の調整契約になります。多くの場合、取引条件において法的拘束力のないものにします。
③最終合意(DA)
最終的な意思決定を示すことで、M&Aの成約をするための契約書です。
基本合意契約との違いは、双方の最終的な条件の合意を表すものになるので、法的効力が発生することです。内容としては、取引条件だけではなく誓約事項や表明保証等、広範囲にわたります。書面で条件を明確にすることで、M&Aのトラブルを避ける意図があります。


M&A業界は激務?労働環境は?
M&A業界は、特に高い専門性と迅速な対応が求められるため、激務であることが知られています。M&Aのプロジェクトは、クライアントや相手企業のタイムラインに依存することが多く、デッドラインに向けた徹夜作業や週末労働が必要になるケースも少なくありません。特に、買収や合併の交渉が佳境に入ると、緻密な財務分析、法的確認、契約内容の精査など、短期間で膨大な作業が発生します。これにより、長時間労働やストレスが避けられないという点が、M&A業界の労働環境を厳しいものにしています。
一方で、近年ではワークライフバランスを重視する企業も増えてきており、労働環境の改善に取り組むM&Aファームも見られます。テクノロジーの進化によって業務効率化が進む一方で、柔軟な働き方やリモートワークを取り入れることで、従業員の負担を軽減する動きが広がっています。ただし、プロジェクトベースで動く業界特性上、依然として突発的な残業や急な業務対応が必要になることが多いのも事実です。
M&A業界は激務と高い専門性が求められる一方で、努力次第で大きな成功や報酬を手にすることができる分野でもあります。労働環境については企業によって異なりますが、業界全体としては改善の方向に向かっているものの、依然として多忙である点は覚悟しておく必要があります。

M&A業界へ転職:未経験採用の採用動向

M&A業界への転職を目指す場合、未経験者でも採用の可能性はありますが、業界特有の専門知識やスキルが求められるため、他業界に比べてハードルが高い傾向にあります。近年の採用動向をみると、M&A業界は引き続き成長しており、特に中堅企業やスタートアップのM&Aが活発化していることから、人材需要も高まっています。ただし、未経験者の採用は即戦力を求める傾向が強いため、慎重に行われることが多いです。
採用されやすい未経験者の特徴としては、コンサルティングやファイナンス業界での経験がある方や、プロジェクトマネジメントのスキルを持つ方が挙げられます。これらの職種経験は、M&Aプロセスにおける企業評価や交渉、法務手続きなどに通じており、業界未経験者でもスムーズにキャッチアップできると見なされるからです。また、金融機関や不動産業界などでの営業経験もプラスとなることが多いです。
経営者と対峙することが多いため「法人営業」の経験が重要になる傾向があります。転職エージェントや専門コンサルタントに相談しながら、自身の強みを最大限に引き出す方法を検討するとよいでしょう。

M&A業界から転職:主な転職先は?

M&A業界は専門性が高く、短期間で「経営・財務・交渉・論理思考」を集中的に鍛えられる環境です。そのため、M&A業界での経験は市場価値が高く、転職先の選択肢も比較的広いという特徴があります。
実際の転職先は、大きく分けると「より専門性を高める方向」と「事業サイドへ移る方向」に二極化します。
M&A業界からの主な転職先一覧
| 転職先 | 概要 | 向いている人 |
|---|---|---|
| FAS・投資銀行 | 財務DD、バリュエーション、M&Aアドバイザリー | 専門性を極めたい、ハードワーク耐性が高い |
| PEファンド | 投資判断・企業価値向上・経営支援 | 経営に深く関与したい、長期視点で価値創出したい |
| 事業会社(経営企画・M&A部門) | 自社のM&A戦略立案・PMI | 当事者として事業を動かしたい |
| コンサルティングファーム | 戦略立案・事業再生・DX支援 | 課題解決を構造的に行いたい |
| 金融機関(銀行・証券) | 企業融資・投資銀行業務 | 金融×企業支援を続けたい |
| スタートアップ/ベンチャー | 経営・事業開発・CFO候補 | 経営に近い立場で裁量を持ちたい |
| 独立・起業 | M&A仲介、コンサル、投資 | 自分の看板で勝負したい |
FAS・投資銀行への転職
M&A仲介やM&Aアドバイザリー出身者の中で、「より高度な財務スキルを身につけたい」「案件の上流工程を担いたい」という人が選ぶ代表的な転職先です。財務DDや企業価値評価など、数字を扱う比重が一気に高まるため、論理性と定量分析力が強く求められます。年収水準は高い一方で、労働時間は長く、選考難易度も高めです。
PEファンドへの転職
M&A業界の中でも一部の経験者が到達する転職先です。単なるディール成立ではなく、「投資後にどう企業価値を高めるか」という経営視点が求められます。M&A経験に加えて、戦略思考・経営視座・実行力が必要となるため、全員が行けるわけではありませんが、M&A業界経験者との親和性は非常に高いです。
事業会社(経営企画・M&A部門)
最も現実的かつ人気の高い転職先です。M&A仲介では外部支援の立場でしたが、事業会社では「当事者」としてM&A戦略の立案からPMIまで関わります。ワークライフバランスが改善されやすく、年収も一定水準を維持しやすいため、「長期的に事業に関わりたい」「意思決定に近づきたい」という人に向いています。
コンサルティングファーム
M&A業界で培った課題整理力・仮説構築力・経営者折衝経験は、戦略コンサルや総合コンサルでも高く評価されます。特に事業再生、企業変革、PMI支援などの領域では、M&A経験者が即戦力になりやすいです。一方で、「答えのない課題に向き合い続ける仕事」が合うかどうかは見極めが必要です。
金融機関(銀行・証券)
銀行のM&A推進部門や法人営業、証券会社の投資銀行部門へ転職するケースもあります。M&A仲介で培った企業分析力や経営者との対話力は、金融機関でも評価されやすく、「安定×専門性」を求める人には相性の良い転職先です。
スタートアップ・ベンチャー
M&A業界での経験を活かし、CFO候補や経営企画、事業開発として参画するケースも増えています。資金調達、アライアンス、M&Aを一気通貫で担える人材は希少であり、裁量も大きい反面、環境変化への耐性が求められます。
独立・起業
一定の実績を積んだ後、M&A仲介・経営コンサル・投資などで独立する人も少なくありません。「個人の信用=価値」になるため難易度は高いですが、M&A業界は独立と相性が良い業界でもあります。

M&A業界に特化したエージェントへ相談がおすすめ
未経験からM&A業界への転職は、他業界に比べても比較的難易度の高く、現職業務の実績と徹底した準備がになります。
ただ一方で、業界全体として情報がブラックボックスされている為、出回っておらず転職情報や入社後のビジョンがわかりずらいのも事実です。
そこで、エージェントの活用がポイントになってきます。
ただ、一言にエージェントといってもそれぞれ得意不得意な業界業種があるため、M&A業界に精通したエージェントの選定が必要です。
どこのエージェントを使うかで数十%の内定率が変わり、内定までのサポート体制も雲泥の差があるため、慎重に選ぶ必要があるでしょう。M&A業界に転職するためには転職エージェントの利用も1つ検討をおすすめします。
企業の人事とコネクションを持っていて、企業・職種ごとに異なる必要な面接対策やアドバイスをしてくれます。
ただ、転職エージェントによって得意な分野が異なるので、大手転職エージェントの中から2〜3社、特化型転職エージェントの中から1社程度、複数登録することをおすすめします。複数登録することで、それぞれを比較しながら、最終的に1番相性が合う1社に絞れるのでおすすめです。
地方・名古屋・大阪でのM&A業界の求人数傾向
M&A業界の求人は、東京圏が全体の約6〜7割を占めるのが実情です。特に大手仲介会社(日本M&Aセンター、ストライク、M&Aキャピタルパートナーズなど)は、案件の多くが東京を中心に動いています。
一方で、地方・関西圏にも確実に需要は存在します。理由は、中堅・中小企業の事業承継需要が全国的に急増しているためです。
| 地域 | 求人数の傾向 | 主な特徴 |
| 東京・首都圏 | 業界全体の中心。大手・外資系・専門ファームが集中。 | 案件規模が大きく、クロスボーダー案件やFAS(財務アドバイザリー)案件も多い。 |
| 大阪・関西圏 | 大手の支社+地場仲介会社が混在。全体の15〜20%程度。 | 製造業・卸売業など地域密着型のM&A案件が中心。 |
| 名古屋・中部圏 | 案件数は少なめ(全体の5〜10%程度)だが堅調に増加中。 | 製造・自動車・部品など“後継者不在型”案件が多い。 |
| 地方都市(福岡・広島・札幌など) | 求人数は限定的。事業承継型案件が中心。 | 大手M&A仲介の支店や地場会計事務所系のM&A部門が主。 |
M&A業界へ未経験で転職する際に、応募前に必ず押さえたい書類作成のポイント

M&A業界への転職を検討する際、未経験者が最初につまずきやすいのが「書類選考」です。実際、M&A業界では面接以前に書類で見送られるケースが非常に多く、ここを突破できなければスタートラインにも立てません。
私はこれまで、M&A仲介・FAS・事業会社M&A部門への転職支援を行ってきましたが、未経験者の場合「能力不足」ではなく、書類の作り方が業界目線になっていないことが原因で落ちているケースが大半です。
M&A業界は数字の世界です。「頑張った」「貢献した」ではなく、定量で語れない書類は通過率が大きく下がります。志望度が高い場合は書類添削を依頼しましょう。
まとめ|M&A業界への転職は「戦略」で決まる
M&A業界への転職は、決して楽な道ではありません。しかし、正しい理解と準備、そして現実的な戦略があれば、未経験からでも十分に挑戦可能な業界です。
重要なのは、「なぜM&Aなのか」「自分のどんな経験が活きるのか」「どこから入るのが最適か」を、自分の言葉で説明できる状態を作ることです。
転職活動は情報戦であり、準備の質が結果を大きく左右します。この記事が、M&A業界を目指す方にとって、無駄な遠回りを減らす一助となれば幸いです。
あとがき|「稼ぎたい」という動機は、決して間違いではない
ここまでM&A業界への未経験転職について解説してきましたが、正直に言えば、この記事を読んでいる方の多くは「年収を上げたい」「30代で1,000万円近く稼げるキャリアを築きたい」という思いを持っているはずです。そして、その動機自体は決して否定されるものではありません。
実際、M&A業界は成果次第で年収1,000万円を超えやすい数少ない業界のひとつです。特にM&A仲介やFASでは、案件成約に応じたインセンティブが大きく、20代後半〜30代前半で年収1,000万円前後に到達するケースも珍しくありません。ただしその裏側には、長時間労働、精神的プレッシャー、成果が出るまでの不安定な期間が存在します。
一方で、年収1,000万円近くを狙える業界は、M&Aだけではありません。たとえば、
IT・SaaS業界のエンタープライズ営業、外資系コンサルティングファーム、戦略・ITコンサル、投資銀行・証券、PEファンド周辺、成長ベンチャーの事業責任者クラスなども、「成果×専門性」が噛み合えば高年収を狙える領域です。これらの業界は、M&Aほど専門知識が重くない入り口もあり、キャリアの作り方次第では現実的な選択肢になり得ます。
重要なのは、「稼げる業界かどうか」ではなく、その業界で求められる努力・負荷・ストレスに、自分が本気で耐えられるかという視点です。M&A業界で稼いでいる人は、例外なく「楽だから」ではなく、「この仕事をやり切れる覚悟があるから」結果を出しています。
もしあなたが、
・短期間で年収を上げたいのか
・専門性を積み上げて市場価値を高めたいのか
・ハードワークでも成果報酬型を選びたいのか
・リスクを抑えつつ中長期で年収を伸ばしたいのか
こうした軸をまだ整理しきれていないのであれば、M&A業界に応募する前に一度立ち止まって考える価値はあります。
M&A業界は「稼げる業界」であると同時に、「覚悟が試される業界」でもあります。
正しい理解と準備をしたうえで選ぶことができれば、年収・成長・市場価値のいずれも大きく伸ばせるキャリアになります。
読者の皆様が、この記事を通じて「勢いで応募する」のではなく、「納得して選ぶ」判断ができるようになれば幸いです。転職は人生を左右する大きな選択です。自分に合ったフィールドを見極め、後悔のない一歩を踏み出してください。これからのキャリアが、皆様にとってより良いものとなることを心より願っています。






























