【Slerから転職】中途採用・就職・面接対策・気になる年収・転職難易度を転職エージェントが解説
「SIerから転職」ガイドブックを手に取っていただき、ありがとうございます。本書は、システムインテグレーター(SIer)として働いているエンジニアの皆様が、新たなキャリアのステップを踏み出すための手助けを目的としています。
SIerの業務は多岐にわたり、高度な技術力とビジネス理解力が求められるため、その経験は非常に貴重です。しかし、より深い専門知識の習得や、長期的なプロジェクトへの関与を求めて、転職を考える方も少なくありません。
本書では、SIerから他業界や異なる職種への転職を成功させるための具体的なアドバイスや情報を提供します。転職理由の整理、職務経歴書の書き方、面接対策など、実践的な内容を盛り込みました。
また、SIerの経験をどのように活かせるか、転職先として適した業界や職種の紹介も行っています。皆様が新たなキャリアで成功し、さらなる成長を遂げるための一助となることを願っています。
本書で定義するSlerとは
SIer(システムインテグレーター)とは、企業や組織が必要とする情報システムを設計・構築・運用する専門業者のことを指します。SIerは、クライアントの業務要件に応じて最適なシステムを提供し、導入後のサポートも行います。
「要件定義」「システム設計」「開発・プログラミング」「テスト」「導入・展開」「運用・保守」などの業務を行いを指します。
SIer出身者の転職背景
SIer出身者が転職活動をする理由は、多岐にわたりますが、その背景にはいくつか共通する動機があります。
キャリアアップと専門性の追求
多くのSIer出身者の方にお会いしましたが、より高度な専門性を求めて転職を検討されている方がいらっしゃいます。
SIerでは幅広いプロジェクトに関与することが多く、特定の分野や技術に特化する機会が限られています。そのため、自分のキャリアをより専門的に発展させるために、特定の技術や業務に集中できる環境を求めて転職活動を行うことがあります。
最新技術へのアクセス
SIerの業務は、特に大規模なシステムや保守的な環境において、最新技術の導入が遅れることがあります。これに対して、Web系企業やスタートアップでは最新技術の導入が積極的に行われており、技術者として成長するための絶好の機会が提供されています。このような環境を求めて、SIerから転職を考える方もいます。
労働環境とワークライフバランス
SIerのプロジェクトは長時間労働が常態化することがありますプライベートな時間が確保しにくく、ワークライフバランスを改善するために、より柔軟な働き方が可能な企業への転職を考える人が増えています。
プロジェクトの継続性
SIerではプロジェクトごとにクライアント先が変わることが多く、短期的なプロジェクトに多く関与します。このような環境では、プロジェクトの成果を長期的に見届けることが難しく、達成感を感じにくいことがあります。反対に、事業会社では長期的なプロジェクトに関与し、プロジェクトの全体像を見渡しながら継続的に改善を行うことができます。このような環境を求めて「事業会社」への転職を希望する方が多い印象です。
上流工程に携わりたい。というニーズも多いですが事業会社=上流工程であり成長できる、と考えるのは早計です。
給与と待遇の向上
特に若手や中堅エンジニアにとって、給与や待遇の向上は重要なモチベーションです。SIerの給与は比較的高いとされていますが、他の業界や職種でのキャリアアップにより、さらなる給与アップを期待する人も少なくありません。また、福利厚生や勤務条件などの待遇面での改善を求めて転職を考えるケースもあります。
SIer出身者が転職を考える理由には、キャリアアップ、最新技術へのアクセス、労働環境の改善、プロジェクトの継続性、給与と待遇の向上といった多岐にわたる動機があります。これらの理由を踏まえ、自分のキャリアゴールやライフスタイルに合った転職先を見つけることが重要です。
SIerからの転職が難しい理由
SIer(システムインテグレーター)からの転職が難しいとされる理由はいくつかあります。
専門性の不足
SIerのエンジニアは、プロジェクトごとに役割が細分化されているため、特定の技術や業務に深く関わる機会が限られることがあります。特にウォーターフォール開発が主流のSIerでは、要件定義、設計、コーディング、テストなどの工程が明確に分かれており、一部の工程しか経験できないことが多いです。これにより、技術の幅が広がりにくく、転職時に求められる高度な専門知識が不足することがあります。
最新技術の習得機会の少なさ
SIerはご存知の方も多いと思いますが、大企業や官公庁の案件を扱うことが多く、セキュリティや信頼性が重視されるため、最新の技術を導入する機会が少ない場合があります。
結果、エンジニアは最新の技術トレンドに対応できず、技術の陳腐化が進むリスクがあります。最新技術への対応力が重要視される他のIT企業への転職において、この点が不利に働くことがあります。
年収の高さ
大手SIerでは、比較的高い年収を得られることが多く、他のIT業界や事業会社への転職を考えると、同等以上の年収を提示する企業が少ないことがあります。結果として、年収の面で転職のハードルが高くなる場合があります。
年収を重視する場合は給与水準が高い領域への転職をおすすめします。
コーディング経験の不足
SIerのエンジニアは、上流工程に特化した業務を担当することが多く、実際のコーディング業務は下請けに任せることが多いです。そのため、プログラミングスキルを十分に磨く機会が少ない場合があります。技術力を重視する企業への転職では、この点がネックになることがあります。
SIerからの転職が難しいとされる理由には、専門性の不足、最新技術の習得機会の少なさ、年収の高さ、コーディング経験の不足などがあります。これらの点を克服するためには、自己研鑽や資格取得、最新技術の学習などを積極的に行い、自身のスキルセットを強化することが重要です。また、転職エージェントを活用して、自分に合った企業や職種を見つけることも有効です。
Slerから転職:主な転職先
SIer(システムインテグレーター)からの転職先としては、様々な選択肢があります。以下に主な転職先をいくつか紹介します。
1. ITコンサルタント
概要: ITコンサルタントは、企業の経営課題をIT技術で解決するための提案を行います。SIerで培ったプロジェクトマネジメントスキルやシステム開発経験が活かせます。
活かせるスキル: プロジェクトマネジメント経験、システム開発経験、IT知識全般、コミュニケーション能力、問題解決能力。
メリット: 高い給与水準、幅広いビジネス領域での経験、クライアントの経営層との折衝経験。
大手SIerの平均年収は800万円から900万円に達することがあり、この水準を維持できる転職先を見つけるのは容易ではありませんがITコンサルティングであれば実現しやすい傾向があります。
2. Web系企業(自社開発)
概要: Web系企業は、自社サービスを提供するためのシステム開発を行います。最新の技術や開発手法に触れる機会が多く、企画から開発、運用まで一貫して担当できます。
活かせるスキル: システム開発経験、データベースやクラウド技術に関する知識、プロジェクトマネジメント経験。
メリット: 最新技術へのアクセス、長期的なプロジェクト関与、テレワークの可能性。
3. 社内SE
概要: 社内SEは、企業内部のシステム構築や運用、保守を担当します。クライアント企業で働くのではなく、自社内での業務となります。
活かせるスキル: システム運用・保守経験、トラブルシューティング能力、ユーザーサポートスキル。
メリット: ユーザーサイドとの直接連携、システムの継続的な改善に関与、会社の幅広い業務に関わる機会。
4. フリーランスSE
概要: フリーランスのシステムエンジニアとして、プロジェクトごとに契約を結んで働く形態です。働き方の自由度が高く、自分のペースで仕事を進めることができます。
活かせるスキル: システム設計・開発スキル、自己管理能力、営業スキル。
メリット: 高収入の可能性、自由な働き方、様々なプロジェクトに関わる機会。
5. SaaS企業
概要: SaaS(Software as a Service)企業では、クラウド上で動作するソフトウェアの開発・運用を行います。Web系企業と似ていますが、特にクラウド技術に強みを持つ企業が多いです。
活かせるスキル: クラウド技術、データベース管理、ソフトウェア開発スキル。
メリット: 最新のクラウド技術へのアクセス、スピード感のある開発環境。
これらの転職先は、SIerで培った経験やスキルを活かしつつ、新たな挑戦を求めるエンジニアにとって魅力的な選択肢です。それぞれの職種には異なる魅力とメリットがありますので、自分のキャリアゴールや興味に合わせて最適な転職先を選ぶことが重要です。
転職時期はいつがいい?
中途採用の求人数が増えやすいのは1~3月と9月~11月です。
春は新年度に向けた組織強化、秋は退職者が出た企業などが下半期の採用活動に力を入れる時期です。特に3月と9月は新体制に向けて欠員を補充する企業が多い傾向にあります。
転職のチャンスが多いため積極的に応募したい時期であるとともに、ライバルが多い分、対策は入念に行うべきタイミングです。
逆に人材が入社したばかりの4月、夏季休暇前の7月ごろは求人数が減ります。閑散期である分、たまに求人が出た場合はライバルが少ないからこそ早期内定につながるかもしれません。
特に4月以降は早期退職者により生じた欠員を補うため、第二新卒向けの求人が増える可能性もあります。
大きな声では言えないものの「ボーナス(賞与)を貰ってから退職したい」という本音を抱いている人も多いでしょう。実は企業側も、ボーナス支給後のタイミングを見計らって求人を出す場合もあります。ボーナス支給前後も求人が増える可能性があるため、情報をチェックしておくと良いでしょう。
退職届を出すのはボーナス支給から最低でも数週間経過後にするのがおすすめです。ボーナス支給から1~2ヶ月後に退職するのがベストでしょう。
SIerから転職まとめ
「SIerから転職」ガイドブックを最後までお読みいただき、ありがとうございました。SIerとして培った技術力とプロジェクト管理能力は、他の多くの業界や職種でも高く評価されるスキルです。
本書が皆様の転職活動において少しでも役立ち、新たなキャリアへの道を切り開く手助けとなれば幸いです。
転職は大きな決断ですが、自分の能力と経験を信じ、新たな挑戦に対して前向きに取り組む姿勢が成功への鍵となります。本書で紹介した情報やアドバイスを参考にしていただき、希望する職種や業界での新しいスタートを切ってください。
皆様の新しいキャリアが充実し、満足のいくものとなることを心よりお祈り申し上げます。未来への一歩を踏み出す勇気と準備が整った今、次なるステージでのご活躍を応援しています。
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