プロが教える【失敗しない転職理由の書き方とは?】好印象を与えるポイントやNG例も紹介
履歴書や職務経歴書に記載する転職理由の適切な書き方について、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
転職理由は企業が応募者を審査する際に必要な項目で、転職者自身にとっても自らの実績や今後の展望を伝えるために重要です。
今回は、転職理由の基本的な書き方のパターンやポイントについて解説します。
NG例もあわせて紹介しているので、転職活動を検討している方はぜひ参考にしてください。面接で踏み込んだ質問をされても答えられるように、自分にとって最適な「転職理由の書き方」を見つけ出しましょう。
転職理由の書き方:基本的に転職理由を記載する必須はない
転職理由を職務経歴書に記載することは、実は必須ではありません。特に転職回数が少ない場合や理由が一般的なものであれば、職務経歴書に転職理由を記載せずとも問題はありません。むしろ、理由を詳しく書きすぎると、ネガティブに受け取られるリスクがあるため、慎重に扱うべきです。転職理由をどう記載するかは、応募者自身の状況に応じた判断が必要です。
ただし、転職回数が多い場合や、転職の経緯を企業側にしっかり説明したい場合には、転職理由を職務経歴書に簡潔に記載することが適しています。この際には、ポジティブな視点を保ち、前向きな理由やキャリア成長のための意欲を強調することが大切です。
転職理由の書き方:転職エージェント経由での応募は個別企業ごとに対応
一方で、転職エージェントを利用する場合は、エージェントが企業に対して推薦文などで転職理由を適切に伝えてくれるため、自分で細かく書く必要はありません。エージェントは、応募者の強みを引き出し、転職理由がネガティブに伝わらないようにサポートしてくれるため、転職回数が多い場合や複雑な理由を持っている場合でも、安心して任せることができます。転職エージェントを利用することで、企業にとっての懸念を最小限に抑えつつ、より効果的に自分の魅力をアピールすることが可能です。
転職理由を記載するかどうか迷った際は、まず自分の転職回数や理由の重要度を確認し、必要に応じて簡潔に記載するか、エージェントのサポートを受けることを検討しましょう。
短期離職や4ヶ月以上の離職期間がある場合は理由の記載を推奨
短期離職や4ヶ月以上の離職期間がある場合、職務経歴書や履歴書にその理由を記載することが推奨されています。企業側は期間が空いていると懸念を抱く可能性があるため、理由を明確に伝えることで、「書類の通過率」を上げることができます。
短期離職や4ヶ月以上の離職期間がある場合、企業側は何が知りたい?
企業が短期離職や4ヶ月以上の離職期間を見た際に注目するのは、まずその理由です。企業は、なぜその期間が発生したのか、そしてその背景にどのような事情があったのかを知りたいと考えます。キャリアの選択において合理的な理由があったのか、またその経験が次の職場でどう活かされるのかが問われます。
最も気にされるポイントは、同じ理由で再度の離職リスクがあるかどうかです。企業は、安定した雇用を望むため、再び短期離職に至る可能性がないか確認したいと考えます。そのため、離職期間や短期離職の理由は、前向きな説明や自己成長のためであることを伝えることが重要です。
転職理由を上手に伝えられない場合は転職支援のプロであるエージェントの利用をおすすめしたい
転職理由を効果的に伝えるのが難しいと感じる場合、転職エージェントの利用を検討するのは非常に有効です。エージェントは、応募者の強みやキャリアの背景を深く理解し、それに基づいて企業に最適な形で理由を伝える手助けをしてくれます。
ただし、エージェントにも得意とする業界や職種があり、サービスによって強みが異なります。そのため、自分の転職先が求める要件や業界に強いエージェントを選ぶことが重要です。
特に、転職理由を単純に伝えるだけではなく、応募先の業界や職種に合った理由にカスタマイズすることが必要な場合もあります。これは、異業種への転職やキャリアチェンジを検討する際、前職でのスキルや経験がどのように次の職場で活かせるかを明確にするために重要です。自分で適切な転職理由を考え出すのが難しいこともあるため、そういった場合には、エージェントを上手に活用し、プロのサポートを受けることで、企業に響く説得力のある理由を準備することができます。
適切なエージェントを選び、転職理由の伝え方を磨くことで、書類通過率や面接での評価が大きく変わる可能性があります。
・特定の業界/職種への支援に強みがある転職サービスかどうか
・支援実績などのエビデンスの提出が可能なサービスかどうか
・ユーザーにとって良いサービスを提供できるかどうか
・転職支援のプロからみても、サービスに定評があるか など
独自基準をクリアした”転職サービス”を紹介しておりますので、よろしければご活用ください。
転職エージェントを活用せずに自分で考える場合の注意点
転職理由は前向きに記載する
転職活動において、エージェントを活用せずに自分で転職理由やキャリアプランを考える場合、いくつかの注意点を押さえておくことが重要です。まず、転職理由が自己中心的になりやすい点に注意が必要です。自分の不満や現状の問題点を中心に考えると、企業側にネガティブな印象を与えてしまう可能性が高くなります。転職理由は、現職の課題ではなく、次のステップに向けた前向きな理由にフォーカスし、自分の成長や目標を強調することが大切です。
応募企業や業界に合った理由にカスタマイズを行う
また、応募企業や業界に合った理由にカスタマイズする必要があります。応募先の企業文化や業界のニーズを理解し、その上で自分の経験がどのように役立つかを説明できなければ、説得力に欠けてしまいます。この点で、求人情報や企業のウェブサイトを調査し、しっかりと企業研究を行うことが不可欠です。
企業側が納得できない理由はNG:自己分析の甘さに注意
さらに、自己分析の甘さも注意すべきポイントです。自分の強みやスキルを正確に把握し、それを適切に言語化できなければ、企業に対してアピール力の弱い理由になってしまいます。第三者の客観的な視点がないため、自分の価値を過小評価または過大評価しやすいというリスクもあります。
転職理由の書き方:事例を交えたポイントを紹介
転職活動の際、転職理由は採用担当者が注目する重要なポイントです。しかし、どのように書けば好印象を与えられるのか迷う方も多いのではないでしょうか。転職理由の書き方について、実際の事例を交えながら、採用担当者に効果的に伝えるためのポイントを紹介します。
転職理由の書き方:キャリアアップ・スキルアップ・キャリアチェンジ
キャリアアップやスキルアップ、キャリアチェンジを理由に転職を考えている場合、前向きな成長意欲を強調することが重要になります。
例えば、「現職では特定の分野でのスキルは身についたものの、さらに幅広い経験や新たなスキルを習得したい」といった理由が効果的です。さらに具体的にどのような経験を取得したいか?言語化できるようにしておきましょう。
「自身のキャリアをより発展させ、次のステージに進むための挑戦をしたい」という姿勢をアピールすることが企業に好印象を与えます。
転職理由の書き方:異業種へ転職する場合
異業種への転職を考えている場合、まずはその業界への興味と、そこで成長したいという意欲を示すことが大切です。「これまでの業界で培ったスキルを活かし、新たな業界での挑戦をしたい」という形で、今までの経験がどのように異業種でも活用できるかを明確にすることがポイントです。
異業種へ転職する場合は「なぜその業界へ転職したいのか?」「活かせる経験スキルはあるか?」「そこまでして挑戦したい熱量は何か?」言語化することで通過率を上げることができます。客観的なアドバイスが必要な場合は転職サービスの利用をおすすめします。
転職理由の書き方:ワークライフバランス
ワークライフバランスを理由に転職を考える際は、自己管理の重要性を示しつつ、職務への影響を避ける表現を使うことが大切です。「現職での業務に満足しつつも、家庭とのバランスをよりよく保てる環境を求めている」といった形で、仕事への意欲を損なわずに自分の希望を説明しましょう。
ワークライフバランスを理由に転職を考える場合は、具体的な残業時間や勤務条件を数字で示すことで、より説得力のある説明ができます。例えば、「現在月に〇〇時間残業しています」といった具体的なデータを記載することで、現職の状況を客観的に伝えることが可能です。ただし、業界や企業によって平均的な残業時間が異なるため、具体的な数値が企業の基準と大きく異なる場合、かえって書類選考で見送りになる可能性があります。一般的には、月40〜45時間前後の残業が平均とされるため、月80時間〜150時間程度の残業がある場合は記載しても問題ないでしょう。
一方で、子育てや介護などの致し方のない理由がある場合は、その事情を簡潔に伝えることで、企業側に理解されやすくなります。
ワークライフバランスは伝え方が難しい項目とされています。基本的に記載を控える方が、書類選考の通過率が高まる可能性があります。
転職理由の書き方:UIターン
Uターン転職の理由は、地元への貢献とライフスタイルの充実を前面に押し出すのが効果的です。「地元でこれまでの経験を活かし、地域の発展に貢献したい」といった形で、地域とのつながりや地元への愛着を強調することで、転職理由に説得力を持たせることができます。また、家族やライフスタイルの改善も理由の一つとして挙げ、地域に根ざしたキャリアを築きたいという意図を伝えるのも効果的です。
転職理由の書き方:給料が安い
給料の低さを理由に転職を考える場合は、直接的な不満を表現するのではなく、キャリアアップや適正な評価を求めていることを伝える方が好印象です。「現職での経験を基に、さらなる成果を求め、適正な評価を得たいと考えています」といった形で、給料だけでなく自身の成長や新たな挑戦を強調することがポイントです。給料面に触れる際には、業務に対するモチベーションと報酬のバランスが重要であることを前向きに伝えるとよいでしょう。
転職理由の書き方:結婚
結婚を理由に転職する場合は、ライフステージの変化とそれに伴う新たな環境への適応を強調しましょう。「結婚に伴い、今後の生活基盤を安定させ、長期的に働ける環境を求めています」といった表現が効果的です。また、結婚をきっかけに家庭と仕事のバランスを見直し、働き続けたいという意欲を示すことで、前向きな転職理由として伝えることができます。
転職理由の書き方:上司と合わない
「上司と合わない」を理由に転職する場合、対立や不満を強調するのではなく、前向きな視点で説明することが大切です。「現在の環境では、自身の成長やチャレンジが難しいと感じ、より積極的に成長できる場を求めています」といった形で、ポジティブにキャリアの次のステップを考えていることを伝えましょう。
具体的にどのような部分で自身の成長やチャレンジが難しいのか?20代が多い環境で切磋琢磨したいなど、新しい価値観を学びたいという姿勢もアピールポイントになりますよ。
転職理由の書き方:第二新卒
第二新卒として転職を考える場合、新たな挑戦への意欲や、早期にキャリアチェンジを考えた前向きな理由を強調することが重要です。「現職で学んだスキルを活かし、より自分に適したフィールドで成長したい」という形で、既に得た経験が次の職場で活かせることをアピールします。また、早期の転職をポジティブなキャリア選択と捉え、次のステージでの具体的な目標を示すと良いでしょう。
ただ基本的に2年以上の勤続年数があれば記載せずとも問題はありません。
転職理由の書き方:後書き
転職理由は、単に現職への不満を述べるのではなく、新たな環境での成長意欲やキャリアビジョンを明確に伝えるチャンスといえます。今回紹介した事例やポイントを参考に、前向きで説得力のある転職理由を記載することで、通過率が上がるはずです。
読者の皆様が、この記事を通じて少しでも転職やキャリアについて正しい知識を得られ、今後のステップを前向きに考えられるようになれば幸いです。転職活動は不安も多いものですが、しっかりと準備をし、自分自身の強みや希望を明確にすることで、次のステージに向かって大きな一歩を踏み出せるはずです。これからのキャリアが、皆様にとってより良いものとなることを心より願っています。