専門家監修【機械設計エンジニアから転職するには⁉︎】転職事情・面接対策についてお伝えします

製造業のデジタル化・グローバル化が進み、機械設計エンジニアのキャリアは大きな転換点を迎えています。従来のCAD設計スキルだけでなく、CAE解析、IoT、DX推進など新たなスキルが求められ、転職市場でも即戦力としての需要は高い一方で、求められる要件も高度化しています。本記事では、4000名以上の転職支援実績を持つプロが「機械設計エンジニアから転職する際の実情」「面接での評価ポイント」「効果的な転職活動の進め方」について解説します。
機械設計からの転職は難しい?
難易度は決して低くはありませんが、十分にチャンスはあります。機械設計のスキルは専門性が高く評価される一方で、異職種への応用力が伝わりにくいという側面があります。転職市場では「どのように成果を出したか」が重視されるため、工数削減やコストダウンなどを具体的な数値で示すことが重要です。成果を数字で表現できれば、専門性が属人的ではなく再現性のあるスキルとして評価され、選考通過率は格段に高まります。
機械設計から未経験業界・職種への転職は?転職難易度は?
未経験の領域に挑戦する場合、難易度は上がります。たとえばコンサルティングや営業職へ転職する場合は設計経験が直接結びつかないため、アピールが難しいケースもあります。一方で「製造業界」の現場知見を生かせるIT導入支援やフィールドエンジニアなどはキャリアチェンジ先として有望です。成長市場であるDXやSaaS領域は、学習コストはかかるものの将来的なリターンは大きく、挑戦する価値は十分にあります。
機械設計から機械設計は転職しやすい?転職難易度は?
同じ機械設計職への転職は比較的容易な傾向があります。CADスキルやCAE解析、さらにマネジメント経験を持っている場合は即戦力として評価されやすく、年収アップにつながるケースもあります。特に大手や外資系企業では、経験値が待遇に直結するため、スキルを磨いてきた方ほど有利になります。ただし待遇改善を目的とするだけでは説得力に欠けるため、新しい会社で挑戦したい理由やキャリアビジョンをしっかり語れることがポイントです。
機械設計から未経験分野へ転職する場合のおすすめは?
設計経験を応用できる分野としては、生産技術や品質保証、IT・DX関連の職種が挙げられます。たとえばSaaS導入やシステムコンサルティングは、現場理解を生かしながら顧客の課題解決に貢献できる領域です。またロボティクスや医療機器などの成長分野では、設計知識を応用できるだけでなく、新しい市場でのキャリア形成も期待できます。未経験への挑戦は年収が一時的に下がるケースもありますが、数年後に大きく伸びる可能性を秘めている点が魅力です。
機械設計の転職事情
機械設計から異業種に転職される割合は、2018年の転職者総数が329万人(引用:総務省 労働力調査2020年)「学術研究、専門・技術サービス業」の転職者は11万人ほどなため異業種への転職割合は3.4%程度です。
ほとんどの方が「機械設計から機械設計」への転職をされています。現状において機械設計エンジニアは人材不足の影響もあり、転職は売り手市場です。機械設計エンジニアの定着率が高い理由は①社会的な評価が高い②給与水準が安定している③休暇を取得しやすいなどがあります。
自動車や航空機、船舶にいたるまで、機械が動く仕組みを設計する機械エンジニアですが、「機械業界」は日本を支える重要な産業です。世界でも高い存在感をもっているだけに、社会的な評価が高い業種の一つでもあります。
中でも機械設計は、専門的知識を要するほか、上流工程から下流工程につなぐ重要な役割を担う職業とされ、大学院卒の比率が高い業種であることから初任給は高く、収入も安定しているのも特徴です。
機械設計エンジニアの転職は、資格よりも経験が重視されるので、設計や開発経験があれば年齢は比較的関係なく選択肢を選ぶことができるため基本は経験を活かした転職がおすすめです。
機械設計からの転職と平均年収の違い
転職を検討する上で多くの方が気にするのが「収入への影響」です。同職種への転職と未経験職種への挑戦では、初年度の平均年収に明確な差が見られます。
転職パターン | 平均年収(目安) | 傾向・ポイント |
---|---|---|
機械設計 → 機械設計 | 20代:500万〜650万円 30代:500万〜750万円 40代:700万〜900万円 | CADスキルやマネジメント実績があれば年収アップの可能性大 |
機械設計 → 未経験業界・職種 | 300万〜550万円 | 初年度はダウンしやすいが、DXやSaaSなど成長市場なら将来性は高い |
年収を重視するのか、それとも将来的なキャリアの広がりを優先するのかで、取るべき戦略は変わります。安定した待遇を得たいなら同職種転職、新しい挑戦を重視するなら未経験分野へのシフトがおすすめです。
機械設計 → 未経験業界・職種へ転職は主に20代となるため、違う分野への転職は早い方が生涯年収を上げることにつながります。

機械設計から転職:年収アップを目指すなら海外転職も視野に
年収アップを狙うなら海外転職も視野に入れるのも1つです。
コロナの影響もありましたが、日本の機械設計技術は海外では高く評価され、ポストを用意されることも珍しくありません。特に中国やベトナムで非常に需要があり、語学力がない方でも付き人がついたり、通訳がいたりするので中国語やベトナム語が話せなくても生活が可能です。
また、海外拠点に移住が可能な機械設計エンジニアも重宝される傾向があります。年齢が若く、海外移住や海外でのキャリアを歩みたい方におすすめです。
とはいえ、海外の採用状況や生活水準など不安なことが多いと思います。ご自身で転職活動をされる以外に海外転職に強いかつ製造業の案件に強みがあるエージェントの利用を検討してみてください。
機械設計エンジニアの転職に有利なスキルや資格
転職において、重視されるのは資格よりも「実務経験の年数」になりますが、持っておくと転職に有利になる資格も、もちろんありますのでご紹介しておきます。
CADのスキル・経験
機械設計の製図には、多くの企業でCADが使われます。CAD使用経験を必須条件としている企業も多く見られるため、ぜひとも習得しておきたいスキルです。とくに最近では3DCADを扱う企業が多く、「3DCAD」のスキルは重宝します。「CAD利用技術者試験」や「CAD実務キャリア認定」といった資格に加えて実務経験を積むことができればより高い年収やキャリアアップを目指せます。
CAE解析の経験
設計段階で製品の性能などに問題がないかシミュレーションを行いますが、その際、主に使用されるのがCAE(Computer Aided Engineering:コンピューター支援エンジニアリング)です。CAE解析のスキルを持っている方は企業からも歓迎されます。
英会話・中国語会話のスキル
グローバル化が進み、海外企業と取り引きしたり、海外で生産・販売したりする企業も増えてきました。企業によっては外国人エンジニアを雇用することもあり、コミュニケーションとして外国語のスキルが必要になることも。英語をはじめ、中国語ができる人材を歓迎する企業も多数あるため、英語・中国語は身につけておくと転職に有利になります。
面接でよく聞かれる質問と対策
面接では「どのような製品を設計したか」「設計上の課題をどう解決したか」が定番の質問です。単に経験を述べるのではなく、製品規模やコスト削減効果といった数値を交えて話すと説得力が増します。また、課題解決のプロセスを課題→仮説→実行→結果という流れで説明できれば、ロジカルな思考力を評価されやすいでしょう。さらに、転職理由を前向きに語ることも重要です。
職務経歴書には実際に設計したプロダクトやリリースされたものがどの程度世の中に影響を与えたのか?売上に貢献したのか?など記載できるとより通過率が高まります。応募先に合わせ多少カスタマイズが必要なため転職サービスを有効に活用しましょう。

機械設計からの転職におすすめの転職サービス比較表
転職活動を進めるなら、自己応募よりもエージェント経由の推薦ルートを活用する方が通過率は圧倒的に高まります。
サービス名 | 特徴 | おすすめ度 | 登録リンク |
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クラウドリンク | ハイクラス求人に強く、ヘッドハンターランクで信頼できる担当を選べる | 公式サイトへ | |
JACリクルートメント | 「JACリクルートメント」は、ハイクラス向けの転職エージェントですが、製造業の領域に強みがあります。また、元々は海外在住の日本人をターゲットに支援をしていたため、海外支援に強みがあります。 | 公式サイトへ | |
エンワールド | エンワールド・ジャパンは、日本の他にタイ・ベトナム・インドの3ヶ国に拠点があるので、アジア太平洋地域の外資系企業への転職支援を得意としています。 また、日系グローバル企業の管理職・経理幹部といった求人もあるので、これらも転職先の候補に入れたい人は利用してみることをおすすめします。 | 公式サイトへ | |
KOTORA(コトラ) | コトラでは「製造・メーカーなどの業界」に強みがあります。転職支援に強みがあるサービスです。年収700万円以上の求人を豊富に保有。 | 公式サイトへ |
気になるサービスがあれば、まずは無料登録をして情報収集を始めてみましょう。複数のエージェントを併用することで、非公開求人や面接対策など独自の支援を受けやすくなります。
まとめ:キャリアの選択肢を広げる一歩を
機械設計エンジニアの経験は高い専門性を持ち、同職種転職では待遇アップも見込めます。一方で、未経験分野へ挑戦する道もあり、初年度は年収が下がる可能性があっても、成長市場でキャリアを築けば将来的に大きな飛躍が期待できます。大切なのは、自分がどの方向性を選びたいのかを明確にし、数字で語れる実績を武器にすることです。そして、転職エージェントの力を借りることで、自己流では得られない求人情報や面接対策を活用できるでしょう。
今のキャリアに不安や迷いがある方は、まずは転職サービスに登録してプロに相談することから始めてみてください。