【転職エージェント経由で内定辞退するには?】違法?対応についてプロの視点で教えます
「転職エージェント」を利用している中で、別の経路で転職が決まってしまうことは良くあります。転職エージェントは、紹介した企業経由で「内定承諾」がなければ1円にもなりません。
尽力してくれたアドバイザーに「内定辞退したい」と言い出すのは難しいものですよね…。
そこで今回は、転職エージェントの経験から角が立たない断り方を「プロ」目線でお伝えしたいと思います。
内定辞退したい場合や選考途中で辞退したい場合はどうすべき?
結論からお伝えすると、選考フェーズによって対応は変えていただく必要があります。
書類選考・適性検査・一次選考は、アドバイザーにメールでの連絡で問題はありません。理由については、言いたくなければ深く説明しなくても問題ありません。
ただ、二次面接・最終選考を辞退する場合は、電話や対面など丁寧に伝えて欲しいのが本音です。最終フェーズともなると、企業もその求職者に強く興味を持っている状態です。
エージェント側からすると、企業との信頼関係に関わる可能性もありますので、企業側ともなるべく穏便に話を進める必要があります。
内定先を辞退すると、その記録はネガティヴな形で記載されるケースがある
二次面接・最終面接・内定辞退をした場合、「その理由」と「対応」などが人事記録として残ります。
そのため、短期離職や数年後に再度応募をした場合に、詳細を伝えず辞退すると「再度選考」が難しくなります。
過去にあった事例ですが「数年前にエントリーがあり、辞退理由が弊社との価値観に合わないと感じ、お見送りとさせてください。」というケースがありました。
基本的に1年以上経過していれば再度エントリー(応募)するのは可能です。しかしながら、辞退理由によっては応募ができない可能性があります。
エージェント経由だった場合は、しっかりと誠意が伝わるような辞退理由をお伝えいただくことが大切です。
変に嘘をつく必要はないので、“悩んだポイント”を正直に教えてもらえればと思います。
例えば「親ブロックされている」「本当にこの進路でいいのか答えを出せない」「まだ気持ちが追いついていない」「A社の方が報酬が良いから」など迷っている部分をアドバイザーに伝えることで、たとえ辞退であっても、穏便にことが進みます。
本音で誠実に話をしていただくのが、アドバイザーとの信頼関係を築くコツです。
他社エージェント経由で転職が決まった場合の「上手な断り方」
他社の転職エージェント経由や求人媒体から内定を獲得した場合の伝え方についてお伝えします。
前提として、他社の転職エージェントを併用しているのをまったく知らせず、土壇場になって「実は他社で転職が決まったので」と断るのは避けてください。
転職エージェント側も、競合サービスを利用している前提なため、複数登録をしているからといって、サポートの質を落とすことはありません。
転職活動をはじめる段階で、転職エージェント以外の状況「転職サイト」「知人紹介」などといった情報も含めて共有をいただくことで、スケジュール管理などもスムーズに進みます。
アドバイザーに正しく情報を提供した上で適切にサポートしてもらうほうが、お互いWin-Winになると思います。
なるべくアドバイザーを信頼して、いいことも悪いことも正直にお話しいただけると良い転職活動を進めることができます。
内定承諾書を出したあとは?
内定承諾書を提出したあとでも、内定辞退は可能です。
ただし、内定を承諾している状態は「労働契約」が締結されている状態。退職と同じく意思表示から2週間で労働契約は解除されます。
ただし、企業は内定を承諾書を提出している=入社の意思があると判断しているため、辞退はできるものの相手に大きな迷惑をかけることと認識しておきましょう。
内定辞退は違法?
内定辞退が違法とされるケースは限定的であり、損害賠償を請求される可能性は低い一方で事例がないわけではないため、できるだけ早く、誠意をもって電話で会社にその旨を伝えるべきでしょう。
内定を辞退することは労働者の自由です。一般的には、内定承諾書にサインをした段階で「労働契約を締結した」ものとして扱われます。
そのため、内定辞退をすることは、「労働契約を解約する」ということになります。労働契約の解約については、民法において、いつでも解約の申し入れができることになっており、会社に対して解約の意思を伝えてから2週間後に契約が解消されると定められています。
しかし、あまりにも常識に反するような態様で内定を辞退した場合、例外的に会社から損害賠償を請求される可能性は残ります。
会社はあなたの入社のために準備をしていたはずなので、内定辞退をすると決めたら、できるだけ早く、誠意をもって会社にその旨を伝えるべきでしょう。
今回のケースは事前に予知できなかったやむを得ない家庭の事情ですので、きちんと説明すれば、損害賠償を請求される可能性は低いと考えられます。
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